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2008年12月01日

オンラインショップ「音楽専門館」に出店!

東京書籍が運営する「音楽専門館」に、アルテスも出店することになりました。「音楽専門館」は、「音楽のあるくらし・音楽でいっぱいの学校」をコンセプトとしたオンラインショップで、書籍、CD、DVD、楽譜、音源などの商品を幅広く扱っています。

http://shop.tokyo-shoseki.co.jp/shopap/special/music/artes/

こちらでは、アルテスの商品購入ができるようになっただけでなく、アルテス企画のWEB連載もはじまりましたので、ぜひご覧ください。第1弾は、野川美穂子さんによる「日本音楽への招待」です。

連載は今後どんどん増えていく予定ですので、どうぞご期待ください。

[松岡]

2008年12月04日

「反ヒューマニズム音楽論」第3回

若尾裕さんのWeb連載「反ヒューマニズム音楽論」の第3回をアップしました。
http://www.artespublishing.com/serial/wakao/index03.html

第2回にひきつづき、第3回でも「近代西洋音楽における生政治」に焦点があてられます。ドイツにおいて「音楽学」という学問の基礎が固められていった過程が、ワイマール期からナチスが抬頭するまでの政治思潮とパラレルであり、いっぽうで芸術性や精神性という「大義」を「現代音楽」に押しつけて自由になったポピュラー音楽が、そのかわりに「短時間内に情動を供給するという役割」を担わされ、その結果「人の情動を社会的に管理するための一種のツール」になっていく様子が描き出されています。

[木村]

2008年12月08日

重松清さんが『at武道館』を絶賛!

今日発売された『週刊ポスト』(小学館)Book Reviewコーナーで作家の重松清さんが『「at武道館」をつくった男』を3分の2ページにわたって取り上げてくれました。

野中さんが命をかけて惚れ込んだクラッシュとの物語を前面に出しすぎると、反体制のロマンに呑み込まれるし、フリオ・イグレシアスのサクセスストーリーを強調するとビジネスの話に片寄りすぎる。この本はそのバランスが絶妙なのだ、と(以上大意)著者・和久井光司さんの意図をきっちり読み取ったうえで、「なにより、この世代[団塊]を、この距離で、この角度で見ていなければ書けないクロニクルになっている」と評してくださっています。

伝えたいことをしっかり読み取っていただけて、本当に嬉しいです。重松さん、どうもありがとうございました。

[鈴木]

2008年12月10日

サントリー学芸賞贈呈式に出席

12/9(火)東京會舘にて第30回サントリー学芸賞の贈呈式がおこなわれました。

式に先だっておこなわれた受賞者とのマスコミ懇談会では各部門の講評もあり、「社会・風俗部門」の審査委員を代表して青山学院大学教授の袴田茂樹さんが『音盤考現学』『音盤博物誌』について、「審査委員のなかでこの本のなかで紹介されている音楽を知っている者がだれもいない。にもかかわらず、とにかく読ませる。それが評価されて、すんなり決まりました」と解説。

受賞スピーチをする片山杜秀さん

贈呈式では佐治信忠サントリー文化財団理事長より賞の贈呈ののち、受賞者ひとりひとりの挨拶があり、片山さんは「1本1本読み切りのスタイルの連載コラムをまとめた本で受賞したことに驚いている。批評のスタイルということを評価していただけたのかと思う」と語っておられました。その後はパーティ。たいへんな数の出席者、しかも名札を見るとあちらもこちらも「あ、この方が……」というような錚々たる顔ぶれで、あらためてサントリー学芸賞の権威を実感しました。

受賞者のみなさん。前列中央は佐治信忠サントリー文化財団理事長

さて、アルテスにとってはその後がじつは本番。場所を移して、「片山杜秀さんのダブル受賞を祝う会」を開催したわけですが、そちらは次のエントリにて。

[木村]

2008年12月10日

「片山杜秀さんのダブル受賞を祝う会」を開催

12/9(火)の夜、サントリー学芸賞贈呈式の終了後、場所を東銀座「カフェ・セレ」に移して、「片山杜秀さんのダブル受賞を祝う会」を開催いたしました。

片山さんのライフワークのひとつであるCDシリーズ「日本作曲家選輯」をリリースするナクソス・ジャパン社長・佐々木隆一さんのご発声により乾杯したのち、アルテス・木村より「片山さんで明け片山さんで暮れた」今年1年間のご報告。しばしの歓談ののち、今年9月頃から片山さんのマネージャーに就任(?)された京都大学准教授・岡田暁生さんから、「片山さんの才能は片山さんだけのものじゃない。片山さんの本を待ち望む読者の共有財産なんです。その才能を浪費せず、しっかりと成果を出していってください」という、厳しくも熱いお祝いのことばが贈られました。

伊福部昭氏の霊が早川きょーじゅ(右)のヴァイオリンに憑依し、片山さん(左)へのお祝いメッセージを語る!

「特別ゲスト」として効果音ヴァイオリニスト、早川きょーじゅさんが登場し、「ヴァイオリン霊媒師」として、片山さんの心の師・伊福部昭さんからのお祝いメッセージを霊界から伝えてくれたあとは、いよいよ片山さんのコーナー。「秘蔵の映像」をもってきてくださるということでしたが、それはなんと「テレビ番組の出演者クレジット集」(笑)。「えんえん映画やテレビドラマのスタッフキャストの字幕が写っているだけ」のもので、「小6から中2までにノートに書き写すために録っては消してを繰り返していたビデオテープの、その録っては消してをやめたところで残った映像2時間」(片山さんのメールより)を映しながら、片山さんご本人が抱腹絶倒の同時解説。『風と雲と虹と』『元禄太平記』『水戸黄門』などなど……。ああ、片山さんはこどものときから片山さんだったんだ、と出席者一同ミョーにナットク。

『元禄太平記』(1975)のクレジット映像を観ながら、「このころの大河ドラマはよかった!」と思わず力のはいる片山さん

近代日本の右翼思想』の編集担当で、現在ナクソスのCD解説集を編集されている講談社の山崎比呂志さんのお祝いのことばののち、片山さんのご挨拶をいただき、アルテスから花束贈呈。濃密な2時間は幕を閉じました。

ちなみにご出席者へのアルテスからのおみやげは、今年6月にジュンク堂書店新宿店でおこなわれた片山さんと佐々木敦さんのトークセッションを収録した小冊子「濃密爆談──音楽批評についてこい!」でした(このパーティのみの限定品)。

[木村]

2008年12月13日

小沼純一さんとヴァイオリニストの瀬崎明日香さんのレクチャー

11/22に発売した小沼純一さんの『無伴奏』。版元ドットコムの12/3付けメールニュースで新刊アクセスランキングの3位に入るなど、たいへん好評をいただいています。

さて、少し前のエントリでお知らせしたとおり、小沼純一さんが『無伴奏』の発刊にあわせて、朝日カルチャーセンター新宿で公開講座を開きます。

公開講座 無伴奏ヴァイオリン作品の魅力──イザイを中心にバッハから20世紀の作品まで
講師:小沼純一(早稲田大学教授)
ゲスト:瀬崎明日香(ヴァイオリニスト)
日時:2008/12/13(土) 18:30〜20:00
受講料:会員3,570円/一般4,200円(入会不要)/ACC学生会員1,500円(要学生証)
場所:新宿住友ビル7F 朝日カルチャーセンター(申し込みは4F受付)
http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=30973&userflg=0
(ネットからの申し込みもできます)

ゲストの瀬崎明日香さんはイザイ《無伴奏ソナタ》でデビューをかざったヴァイオリニスト。『無伴奏』のなかで中心的にとりあげられたイザイの名曲ですが、実演を聴くチャンスはあまり多いとはいえません。この機会にぜひ、著者のトークと素晴らしい演奏をお楽しみください。

[木村]

2008年12月13日

東京芸術大学で片山杜秀さんのトークショー

東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科の学生によるオープンプロジェクト『千住 Art Path 2008』で行われるトークセッション「ART TALKS」に、片山杜秀さんがゲストの一人として出演します。お題は「音楽を批評すること:『音盤考現学』と『音盤博物誌』」、と弊社の本のタイトルをあげていただいております。これはぜひとも足を運ばなければ!

●『千住 Art Path 2008』特別企画「ART TALKS」
●ホスト:毛利嘉孝(東京芸術大学音楽学部音楽環境創造科准教授)
○12月20日(土)
 14:00-15:30 テクノロジーとアート:メディアアートの現在
        四方幸子(キュレーター、東京造形大学特任教授)
 16:00-17:30 アートと想像力:視聴覚交換マシン、ポストペットから「オープンスカイ」プロジェクトまで
        八谷和彦(メディア・アーティスト)
○12月21日(日)
 14:00-15:30 デジタル時代の音楽:著作権、音楽産業、そして音楽文化
        津田大介(IT・音楽ジャーナリスト)
 16:00-17:30 音楽を批評すること:『音盤考現学』と『音盤博物誌』
        片山杜秀(思想史研究、音楽評論家、慶応大学准教授)
◇会場:東京芸術大学千住校地 第一講義室
◇入場無料・学外者も入場可

片山さんが出演される「ART TALK」以外にも、特別企画「声の新領域 ~松平敬・太田真紀 現代声楽曲コンサート~」「冨田勲サラウンドプロジェクト」はじめ、学生によるプロジェクトなど、面白そうなイベントが盛りだくさんです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。『千住 Art Path 2008』の詳細は、下記公式サイトをご覧ください。

公式サイト http://www.senjuartpath.com/

[松岡]

2008年12月13日

林田直樹さんが『無伴奏』を紹介してくださいました。

OTTAVA amoroso」にて、音楽評論家の林田直樹さんが『無伴奏』をとりあげてくださいました。「慎重な言葉遣いと集中した思考で、この作品[イザイの無伴奏ソナタ]の深部に分け入り、ヴァイオリン音楽、とりわけソロというものの孤独な本質について述べられています」と評価していただきました。

林田さんも新刊『クラシック新定番100人100曲』(アスキー新書)を出されたばかりですが、新書サイズのコンパクトな本ながら、たいへんていねいに深く掘り下げられた作品論、作曲家論となっており、まさに理想のクラシック音楽入門書といえる快著。おすすめです!

[木村]

2008年12月14日

川本三郎さんと三浦雅士さんが「2008年この3冊」に!

毎日新聞読書欄で毎年恒例の「2008年『この3冊』」。昨年は養老孟司さんが『村上春樹にご用心』を選んでくださいましたが、今年は川本三郎さんが『音盤博物誌』を、そして三浦雅士さんが『音盤考現学』を選んでくださいました!(12/14付け) それぞれ引用させていただきます。

川本三郎さん

 片山杜秀さんのクラシック評論は、なじみの薄い現代音楽の作曲家や演奏家への興味をかきたててくれる好著。音楽評論に新風が。

三浦雅士さん

『音盤考現学』は、あっけにとられるような博識と才筆によって、とりわけ日本現代音楽の面白さをほとんど強引に納得させてくれる。

川本さん、三浦さん、ありがとうございました!

[木村]

2008年12月15日

『BRUTUS』の「2009年のキーパーソン」にバレンボイムが

本日(12/15)発売の『BRUTUS』654号、「2009年のキーパーソン30人を知る本ガイド」のなかで『バレンボイム音楽論』がとりあげられました。「音楽から始まる和平。」と題して、「発言する音楽家」バレンボイムが紹介されています。

[木村]

2008年12月18日

横川理彦さんが『音盤博物誌』と『魂(ソウル)のゆくえ』をとりあげてくださいました。

Sound & Recording Magazine』2009年1月号「Books」コーナーにて、横川理彦さんが今年4月号での『音盤考現学』絶賛!に続いて、『音盤博物誌』と『魂(ソウル)のゆくえ』をとりあげてくださいました。

『音盤博物誌』については

これがまた、強烈な傑作で、批評の対象になっている作曲家や演奏家に詳しくなくても十分に楽しく読め、とても刺激的なのである。

『魂(ソウル)のゆくえ』については

南部では黒人と白人が一緒に音楽を作ることが当たり前だったことや、ファンクにロックの要素がかなり含まれていることなどが歴史的に理解できるのは大きい。(略)筆者の深い音楽愛にしっかり裏打ちされた好著だ。

と、いずれも高く評価してくださっています。

[木村]

2008年12月20日

ARTES インフォ*クリップ vol.15

メルマガ「インフォ*クリップ」第15号を配信しました。

今回は新刊『聴いて学ぶアイルランド音楽』の関連イヴェントを中心にお届けしました。

メルマガの登録はこちらから。

[松岡]

>> 詳細

2008年12月22日

満員御礼

昨日の『聴いて学ぶアイルランド音楽』刊行記念イヴェント@ディスクユニオン新宿本館ルーツ&トラディショナル館には25人もの方にお運びいただき、ぎっしり満員となりました。どうもありがとうございました。立ちっぱなしの方もいらしてご不便もかけましたが、さすがおおしまさん、中身の濃いレクチャーでした。初期チーフテンズでのバゥロンの試行錯誤とか、初期プランクシティのカセット・ライヴ音源とかも聴けたし、ぼくも改めて勉強になりました。大勢で一緒に耳を傾けるのってそれだけでも一人で家で聴いてるより楽しいんですよね。次回1月25日のピーター・バラカンさんの出前ジュークボックスも期待してます。

[鈴木]

2008年12月25日

片山さん、東京藝大にあらわる!


片山さんの前にはカセットテープを再生するために特別に用意されたラジカセが。右は司会の毛利嘉孝さん

ご報告が遅くなりましたが、12/21(日)東京藝術大学北千住キャンパスでおこなわれた「千住 Art Path 2008」でのトークセッション「ART TALKS」に、片山杜秀さんが出演しました。題して「音楽を批評すること:『音盤考現学』と『音盤博物誌』」。小学校の跡地に数年前に建てられたというモダンなキャンパスに、片山さんの超ハイテンションの絨毯爆撃トークが炸裂しました!

12/9の「ダブル受賞を祝う会」でも話題をあつめた「テレビの出演者クレジットばかり2時間収録したビデオ」のほか、今回は小学生時代の片山さんが「テレビの主題歌・挿入歌をひたすら録りまくったカセットテープ」、そして「カセットのインデックスカードでは書ききれないのでルーズリーフにひたすら列記した作詞・作曲・演奏クレジット・ノート」も初公開。司会の毛利嘉孝さんも「ぼくは片山さんと同い年のはずなんですが……」と、片山少年の飽くなき知識欲に絶句。

最後に「批評家の役割とは?」と問われた片山さん、「テクノロジーの進歩が加速する現代、作曲家が新しいテクノロジーに見合った表現様式を時間をかけて育てることが難しくなっている。新しいテクノロジーを用いながらも、旧態依然とした表現のまま止まっていることもしばしばで、そんなとき、作曲家が新しい表現様式を発見する手助けをすることも、批評家の重要な役割だと考えている」と答えていましたが、会場につどった未来のアーティストたちにはこの言葉、どのように響いたでしょうか?

[木村]


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