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2011年03月01日

【書評】『クラシック迷宮図書館』(正・続)|『みすず』(2011年1月・2月合併号)

『みすず』1月・2月合併号は恒例の「読書アンケート特集」。今年は建築史の倉方俊輔さんが片山杜秀さんの『クラシック迷宮図書館』『続・クラシック迷宮図書館』をとりあげてくださいました。

(略)多少強引でも爽快な、的を射た文章によって、音楽が深く社会と人間と、人間の哀しみとでも言いようのないものに触れていると知れる。ど真ん中を進みながら「〜学」の退屈さを免れている。同書にそそのかされて、何冊の音楽書に手を伸ばしたことか。おかげで音楽史研究の厚みが分かり、いろいろと考えさせられた。

「そそのかされて」というところに、片山さんの本の特徴が表されているようで。ありがとうございました。

[木村]

2011年03月02日

【書評】『作曲の思想』|『レコード芸術』(2011年3月号)

昭和音楽大学でアート・マネジメントを講ずる中村晃也さんが、小鍛冶邦隆さんの『作曲の思想』をとりあげてくださいました。「うかつに序から読んだりすると、その智に圧倒され、3行で降参というケースもあろう」などと、小鍛冶さん独特の文体への注文を付けながらも、

 本書は、180ページの小ぶりの1冊。侮るべからず。ついに日本の音楽界にも、このように音楽を見、語り、論ず時代が到来したのだとうれしくなる。心ある音楽家諸氏必読の書か。

と高く評してくださいました。ありがとうございます。

[木村]

2011年03月14日

三輪眞弘さんが芸術選奨文部科学大臣賞を受賞!

地震の災害情報に胸痛めつつのお知らせとなりますが、たいへんめでたいニュースが入ってきました。作曲家の三輪眞弘さんが平成22年度(第61回)芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)を受賞! 主な贈賞理由に弊社刊『三輪眞弘音楽藝術』の出版を挙げていただいています!

asahi.com - 芸術選奨、31人受賞 加山雄三さん、平原綾香さんら
http://www.asahi.com/culture/update/0311/TKY201103110702.html

贈賞理由

三輪眞弘氏は、音楽の概念を根本から問い直す作業を通じて新しい音楽の可能性を探求する試みを、最先端のメディアを駆使して重ねてきた。平成22年の新刊『三輪眞弘音楽藝術──全思考1998─2010』には、人間の知覚システムを再考しつつ時間空間の斬新な体験を提案する方法論が集積され、真に前衛的な音楽創作論として話題を集めた。地域と密着した「NEO都々逸」の創作やフォルマント兄弟のプレゼンテーションも秀逸であった。

『三輪眞弘音楽藝術』の冒頭には、このような文章があります。

コンピュータ音楽であれメディアアートであれ、「装置を使った(芸術)表現」について何かを語る際に、ぼくらは、ある装置を電源コンセントにつなぐことから始めているという事実に注目しようとはしない。またさらに、その「コンセントの向こう」には、つまり電力が安定的に供給される背景には、地球規模のエネルギー問題、たとえば原子力発電所、核問題、石油の利権、投機マネーはもとより中東戦争に至るまで、グローバル化した世界のあらゆる難問が果てしなく連なっていることを意識することはまずないはずだ。もちろんそんなことを考え始めたら「装置を使った(芸術)表現」どころか、平穏な日常生活でさえ不可能になってしまうので誰も「言わないことにしている」わけだ。しかし、だからといってそれが現代の音楽・芸術が直面する未曾有の状況と無関係だと言える理由にはならないだろう。いや、それどころか現代に生きるぼくらの価値観や世界観、そしてひとりひとりの心のありようにこの現代社会の複雑な状況が深く結びついていないはずはないのだ。

──「目次の前に」より

震災が起こり、被災地はもとより、それ以外の地域でも「コンセントの向こう」をいやがうえにも意識しなければならない状況が現出しています。このような時代に、はたして芸術に何ができるのか──三輪さんの問いかけはいっそうの重みをもってわれわれに迫ってきています。

[木村]

2011年03月14日

出荷を一時停止します

このたびの震災の影響により、明日3月15日(火)まで商品出荷を停止させていただきます。16日(水)移行の対応につきましては、流通倉庫の状況を見て、決まりしだいお知らせいたします。みなさまにはたいへんご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。

被災された方々には、この場を借りて、心よりのお見舞いを申し上げます。一日も早く、平常の生活が戻りますように。

2011年03月18日

出荷を再開しています。

弊社では16日(水)より出荷業務を再開しています。大地震の影響により、ご注文をいただいてから出荷まで従来より長い時間がかかり、当分の間ご不便をおかけしますが、日本全体が置かれている困難な状況をふまえて、ご理解いただければ幸いです。

今日でちょうど1週間が経ち、日を追うごとに明らかになってくる被害のあまりの大きさに胸が痛む毎日です。福島原発の状況もまったく予断を許しませんし、地震と放射能の恐怖におびえながらの暮らしはまだまだ続きそうです。そんなときだからこそ、文字の力、音楽の力を信じて、出版活動に励みたいと思います。そして、1日も早く平和な日々が戻ってきますように。

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