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2010年05月20日

6/27 西原稔さん講演「19世紀のノクターン」がピティナで開催

西原稔さんの『ピアノ大陸ヨーロッパ』はもともと全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)のホームページで連載された「ピアノの19世紀」をもとにした本ですが、このたび同協会の企画で刊行記念セミナーがおこなわれることになりました。

同書で最後に1章をあてて展開された「ノクターン論」。19世紀のもっとも典型的なピアノ音楽ジャンルとして「ノクターン」をとらえた興味深い論考でしたが、この日はその内容にもとづき、根津理恵子さんのピアノ実演を楽しみながら、「ノクターンからみる19世紀」にせまります。

詳細は以下のとおりです。本をお持ちでない方は、同時購入で受講料が少し割引になります。ふるってお申し込みください。

『ピアノ大陸ヨーロッパ』刊行記念セミナー
「19世紀のノクターン」
レクチャー:西原 稔/ピアノ:根津理恵子

日時: 2010年6月27日(日)14:00-16:00
場所: 東音ホール
    〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-15-1
受講料:書籍の同時購入:一般5000円(ピティナ会員4500円)
    セミナーのみ: 一般3500円(ピティナ会員3000円)
※6/16(水)までに「同時購入」で受講費をお振り込みいただいた
 方には、事前にアルテスパブリッシングより書籍をお送りします。
 当日、書籍内容にかんする質問をお受けいたします。
主催: 社団法人 全日本ピアノ指導者協会 メディア委員会
お問い合わせ・お申し込み:PTNA本部事務局(担当:實方)
    TEL 03-3944-1583 FAX 03-3944-8838

ピティナ・ホームページにも5/21(金)夕方以降にこのイヴェント
の情報が掲載される予定です。あわせてご覧ください。
http://www.piano.or.jp/

[木村]

2010年05月24日

毎日新聞で『ピアノ大陸ヨーロッパ』が紹介されました

5/24付けの毎日新聞夕刊、「記者が選ぶ今週はコレ!」のコーナーで、西原稔さんの『ピアノ大陸ヨーロッパ』が紹介されました。評者は梅津時比古さん。毎日新聞のウェブサイトでも全文を読むことができます。
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100524dde012040031000c.html

「(19世紀という)この魅力的で不可思議な時代のいくつもの謎が提示され、構造的に解き明かされている」と評していただきました。ありがとうございました。

[木村]

2010年05月29日

今井顕さんが「書評空間」で『ピアノ大陸ヨーロッパ』を紹介してくださいました

ピアニストで国立音楽大学大学院教授の今井顕さんが、「KINOKUNIYA書評空間BOOKLOG」で『ピアノ大陸ヨーロッパ』を書評してくださいました。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/imaiakira/archives/2010/05/post_52.html

18世紀よりも19世紀の方が時期的に私たちの時代に近いにもかかわらず、その研究はより困難となっている。どんな作品が好まれ、誰が何を出版したかに関しても「新作が生まれ、もてはやされ、やがて忘却の彼方へ葬られる」という、現代の流行歌の盛衰にも似た激しい新陳代謝にはばまれて、失われてしまった資料が多いのだ。

そんな19世紀の波瀾万丈に光を当てたのが本書である。良く整理されており、この時代をターゲットとして考えている研究家志望の若者にも貴重な一冊だ。

「暗黒大陸」とよばれる19世紀の音楽文化に迫った同書を深く読みこみ、わかりやすく紹介してくださいました。ありがとうございます。

[木村]

2010年06月14日

西原稔さんの「基礎力としての音楽史」を読む

全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)のホームページに、西原稔さんが「基礎力としての音楽史」という文章を寄せていらっしゃいます。
http://www.piano.or.jp/report/news/2010/06/14_10920.html

「音楽の営みを残された作品だけではなく、それを生み出した土壌から理解すること」──感性ですべてこと足りてしまうと考えがちな演奏家にとっては、とくにだいじな姿勢ではないでしょうか?

西原さんは6/27(日)にピティナにておこなわれるセミナー「19世紀のノクターン」の講師をされます。根津理恵子さんによる実演をまじえて、『ピアノ大陸ヨーロッパ』で展開されたノクターン論をわかりやすく解説していただきます。音楽史を勉強する愉しみを知ることのできる、またとない場になるでしょう。

セミナーの詳細と申し込みはこちらから。

[木村]

2010年06月18日

『ムジカノーヴァ』で『ピアノ大陸ヨーロッパ』紹介

『ムジカノーヴァ』7月号で『ピアノ大陸ヨーロッパ』が紹介されました。筆者は山本美芽さんです。ありがとうございました。

[木村]

2010年06月21日

『モーストリー・クラシック』で『ピアノ大陸ヨーロッパ』紹介

『モーストリー・クラシック』8月号に西原稔さんの『ピアノ大陸ヨーロッパ』の書評が掲載されました。「ピアノを切り口に19世紀のヨーロッパを鮮やかに切り取っている」と評していただきました。

[木村]

2010年06月22日

『ステレオ』で『ピアノ大陸ヨーロッパ』紹介

『ステレオ』7月号で西原稔さんの『ピアノ大陸ヨーロッパ』が紹介されました。

19世紀になって市民社会に普及してきたピアノという楽器、ピアノ音楽がどのように形成されていったのかを、さまざまな側面から言及しており、ピアノ音楽の通史という枠を大きく超えた興味深い一書。

なお、この号の『ステレオ』、まずその「分厚さ」に驚きます。FOSTEX社製のスピーカー・ユニット・キットが「おまけ」として付いてるんです。ぜひ書店でその分厚さを体験してみてください。

[木村]

2010年07月12日

夏休みは音楽書を読もう!──7/10片山杜秀×秋岡陽トークイヴェント報告


秋岡陽さん(左)と片山杜秀さん

去る7/10(土)、ヤマハ横浜店にて、片山杜秀さんと秋岡陽さんのトークイヴェントが開催されました。同店で開催していただいているクラシック迷宮図書館』『続・クラシック迷宮図書館』発売記念フェアの一環としてのイヴェントで、お題は「夏に読みたい音楽書」。同書でとりあげられた書物だけでなく、最近面白かった本、学生に人気の本など、さまざまな音楽書が紹介されました。

以下、当日紹介された本を列記します。

●片山さん推薦

レヴィティン『音楽好きな脳』白揚社

・なんでも脳で説明する風潮があってきわどい本が多いが、あるていど信頼できる。
・音楽と小脳の話が面白かった。小脳はかなり原始的な器官で音楽と関係なさそうだが、小脳は運動と時間を司る。音楽は芸術だと思いたがるが、生き物として生きていくために必要なものだということ。
・人間は音の情報と感情を高度に結びつけることに成功したから、この地上で繁栄した。音楽は生き残るための訓練になっている、ということを、この本から学び取った。

三上敏視『神楽と出会う本』アルテスパブリッシング

・自分は神楽を国立劇場でしか見てないが、三上さんは現地で楽しんでおられて、うらやましい。
・いま相撲が話題だが、あれもスポーツじゃなくて芸能。一人相撲は神様と相撲してかならず負けることになっている。スポーツの部分は余興。音楽が音の部分だけ特化してしまったが、神楽は芸能や宗教と一体だったころの音楽の姿を表している。

シーゲル『サキソフォン物語』青土社

・サキソフォンが流行ったのは、カルーソやクライスラーのヴィブラートをうまく模倣できる楽器だったから、と書かれている。

モラスキー『ジャズ喫茶論』筑摩書房

・著者が否定したいと思っている前の学説のほうが、じつは面白かった(笑)。

●秋岡さん推薦

西原稔『ピアノの誕生』講談社

・最近は、ピアノを弾いてると「変わってるね」といわれる学生がいて、彼ら/彼女たちは「ピアノを弾く自分って、なに?」と考えることが多い。そんなときにこの本などはよく読まれる。


西原稔『「楽聖」ベートーヴェンの誕生』平凡社

西原稔『ピアノ大陸ヨーロッパ』アルテスパブリッシング

・西原さんの本はこの2冊もおすすめ。

Robert P. Morgan, Anthology of Twentieth-Century Music, W W Norton & Co Inc

・(秋岡さんの)シカゴ大学時代の恩師の本。向こうはこういう堅い本がしっかり刊行されていて、いいですよね。

西川尚生『作曲家・人と作品 モーツァルト』音楽之友社

・モーツァルトの伝記なんて、もう書くことないだろうと思ったけど、この本はいろいろ知らなかったことが書かれている。レクイエム書きながら陽気なホルン協奏曲を書いていたなんて、この本ではじめて知った。

川端純四郎『J.S.バッハ 時代を超えたカントール』日本キリスト教団出版局

・この著者は音楽学者じゃないが、とてもいい本。あのバッハ学者の小林義武さんも「いい本だ」とおっしゃっていたので、自信をもっておすすめします(笑)。

金澤正剛『古楽のすすめ』音楽之友社
(若かりしころ(30代後半?)の金澤さんの写真が登場!)

・自分で発見したつもりになっていたことが、この本を読んだらぜんぶ載っていた。
・最近出た新版も、かなり書き足してあっておすすめ。

Walter Benjamin, The Work of Art in the Age of Mechanical Reproduction(英語版)
Lawrence Lessig, Free Culture
David Kusek, Gerd Leonhard『デジタル音楽の行方』翔泳社
福井健策『著作権の世紀』集英社新書

・このへんは、やはり最近の著作権とか配信がらみでよく読まれる本。ベンヤミンとか、学生といっしょに原書講読するとみんなギョッとしてます。

Theodor W. Adorno, Essays on Music(英語版)
渡辺裕編『アドルノ 音楽・メディア論集』平凡社

片山「わたしの批評の元ネタもかなりアドルノです」
秋岡「後者はとても翻訳が読みやすいですね」

北川純子『音のうち・そと』勁草書房
東谷護『ポピュラー音楽へのまなざし』勁草書房
『ヲノサトルの甘い作曲講座』リットーミュージック

・ポピュラー音楽に関心のある学生に人気なのは、このへん。

R. Murray Schafer, The Soundscape

・この本は以前から人気があったが、最近はだんだん読まれなくなってきた。

小沼純一『武満徹 その音楽地図』PHP研究所

秋岡「びっくりしたのは、この本をはじめとして、Googleブックスでタダで読めちゃう本がたくさんあること。読めるのは一部分だが、うまく自分の知りたい部分に当たれば、本を買わなくてもいい(笑)」
片山「子供のころは出会うためにものすごく苦労したものが、ネットで簡単に手に入る。フリーになればなるほど、判断能力が必要になる。昔は手間やお金がかかるぶん選別能力が磨かれた」

以上、秋岡さんはiPadをプロジェクターにつないで、本の写真をスライドで壁に映しながらの解説。そのあいまに、なんだか意味不明の写真(※)がとつぜん映し出されたりして、面食らいましたが、それ以外は実にわかりやすいお話で、大学で講義を聴いている気分になりました。

※音楽之友社入社当時の木村の写真(じつは秋岡さん、音楽之友社時代の大先輩なのです)。しかも、上司の眼を盗んで作曲にいそしんでいるところなんかも映し出され、このときばかりは秋岡さんにご登壇いただいたことを悔やみました(笑)。

最後に聴衆からは、「片山さんに音楽史のブックガイドを書いてもらいたい。音楽史の研究史がわかる本があれば」という注文も、片山さん、「(アルテスの)木村さんと相談します(笑)」とのお答えでした。なるほど、面白そう。ぜひ計画しましょう、片山さん!

[木村]



2010年07月20日

『Jupiter』で『ピアノ大陸ヨーロッパ』と『フレデリック・ショパン全仕事』紹介

大阪・いずみホールの会報『Jupiter』vol.123にて、『ピアノ大陸ヨーロッパ』と『フレデリック・ショパン全仕事』が紹介されました。

ヨーロッパ主要都市の音楽事情など、ここに描かれる史実は息づかいまで感じ取れるほど、19世紀という時代を身近に感じさせてくれる。(『ピアノ大陸ヨーロッパ』への評)
入門者と専門的な音楽ファンの双方のニーズに応え、CDや公演鑑賞に必携だ。丁寧な本作りは、著者と女性編集者の心配りの賜物。後の世でも母性愛豊かな女性たちの庇護に恵まれる作曲家なのだと感じ入った。(『フレデリック・ショパン全仕事』への評)

──と、後者については編集者にも言及していただくなど、うれしい評でした。ありがとうございました。

[木村]

2010年07月20日

『ピアノスタイル』で『ピアノ大陸ヨーロッパ』紹介

『ピアノスタイル』8月号にて『ピア
ノ大陸ヨーロッパ
』が紹介されました。

19世紀にピアノが普及し、“クラシック”という音楽概念が誕生した背景に、工業技術の発展や社会の産業化などが存在していたことを面白く読みながら理解できる。

なお、同誌の読者プレゼント企画にも協力させていただきました。チェックしてみてください。

[木村]

2010年08月30日

横川理彦さんが『ピアノ大陸ヨーロッパ』を書評

『サウンド&レコーディング・マガジン』8月号で横川理彦さんが『ピアノ大陸ヨーロッパ』を紹介してくださいました。

特に、中産階級の価値観の中で<家庭のアクセサリーとしておこなわれた娘にたいするピアノ教育>がサロン向けの作品の創作をうながし、音楽院を開設させ、さらに女性の職業進出(ピアノ教師)のきっかけになった、という点は面白い。

ご紹介が遅くなってしまいました。横川さん、どうもありがとうございました。

[木村]

2010年09月13日

ピティナ『OUR MUSIC』の西原稔さんのエッセイ

ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)発行の会報『OUR MUSIC(わたくしたちの音楽)』夏号(287号)に、西原稔さんが「基礎力としての音楽史」というエッセイを寄稿しています。演奏家にとっての「音楽史の教養」の大切さをわかりやすく説いたもので、ピアニストだけでなく、音楽にかかわる人すべてに読んでもらいたい内容です。

音楽の営みを、残された作品だけではなく、それを生みだした土壌から理解すること。それが「基礎力としての音楽史」ではないかと思います。

このページではピティナのホームページ連載から単行本化された『ピアノ大陸ヨーロッパ』も紹介していただいています。

[木村]

2010年09月16日

10/9、10/10 「ピアノの歴史」コンサートを後援しています

10/9(土)、10(日)の2日間にわたって横浜みなとみらいホールで開催される「山手プロムナードコンサート第21回:ピアノの歴史」に、アルテスは後援というかたちで協力しています。詳細は以下をご覧ください。

http://www007.upp.so-net.ne.jp/o-arches/concert.html#30

『ピアノ大陸ヨーロッパ』の著者・西原稔さんが両日にわたって講師をつとめ、「ピアノの誕生と発展」「ピアノ音楽の確立」(以上10/9)、「シューマンとショパンの時代」「ロマン派の終焉と新時代の幕開け」(以上10/10)という4部構成でピアノ音楽の歴史を俯瞰するという内容のコンサートです。出演は渡邊順生さん、崎川晶子さん、久元祐子さん、野平一郎さんほか、司会は朝岡聡さんです。

[木村]

2014年10月16日

『ショパン』で『線の音楽』『ピアノ大陸ヨーロッパ』『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉』が紹介されました

『ショパン』11月号の第2特集は「“音楽のプロ”のおすすめ書籍」ということで、弊社書籍からも3冊が紹介されました。

まずピアニストの大井浩明さんが選んでくれたのは、近藤譲さんの『線の音楽』。大井さんはアルテス木村が音楽之友社在職時代に手がけた橋本英二さんの『バロックから初期古典派までの音楽の奏法』も取り上げてくださっています。

また音楽評論家の道下京子さんは、西原稔さんの『ピアノ大陸ヨーロッパ』を推薦。

 やや堅めの内容ですが,よく知られた作曲家や作品、ピアニストの名前もたくさん登場しますので、自分の興味と結び付けて読むことができると思います。いわゆる音楽社会学的な類の本にしては、読みやすい方ではないでしょうか。ピアノを弾いたり聴いたりする際の、知識や理解を深めるのにきっと役立つにちがいありません。ピアノを通して、当時の社会も見えてきますよ。

と紹介してくださいました。

最後に、音楽学者・音楽評論家の湯浅玲子さんのおすすめは、吉成順さんの『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉』。

 当時のコンサートの状況をたどりながら、“クラシック”が古いもの、“ポピュラー”が新しいもの、という認識ができあがってくる経緯は、読んでいてもおもしろいです。(略)
 また、この本をお薦めする理由に、読みやすさがあります。学術書で参考にされるような文献を用いてはいますが、本文は堅苦しい表現を避け、わかりやすく書かれています。そして、当時の人々のなかに音楽がどのように融け込んでいたのか、その様子を鮮やかに蘇らせていきます。

みなさま、どうもありがとうございました。

[木村]

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