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2011年07月11日

新刊『耳をふさいで、歌を聴く』(加藤典洋 著)7月末発売!

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音楽とはなにか?
才能とはなにか?
ポップとはなにか?

『敗戦後論』の加藤典洋による
初めての音楽論、渾身の書き下ろし。
身ひとつで日本のロックに挑む!

奥田民生、スガシカオ、じゃがたら、
フィッシュマンズ、忌野清志郎、桑田佳祐、
小沢健二、コーネリアス、椎名林檎、曽我部恵一、
小島麻由美、スピッツ、町田町蔵 etc......

四六判・並製・452ページ
定価:本体2200円+税
ISBN978-4-903951-45-4 C0070
【音楽・思想・文芸評論】


●内容
文芸評論、戦後日本論、アメリカ論などで長年活躍する著者が、初めて音楽批評に挑んだ。数百枚に及ぶCDを聴き続けて選んだ6組の日本のアーティスト──奥田民生、スガシカオ、じゃがたら、フィッシュマンズ、忌野清志郎、桑田佳祐──を論じた書き下ろし750枚。音楽とは? 才能とは? ポップとは? その本質に深く厳しく迫る!

●本書「あとがき」より……
音楽を聴いていると、だんだん音楽の友人になってくる。でも私は、耳をふさぐようにして聴いた。また書いた。音楽の友人になるまえに、音楽に見知られる前に、まったく音楽を知らない人間として、「音楽」について、「Jポップ」について、「日本のロック」について書きたかったのである。音速に追いつかれない、招かれざる客として。耳をそばだて、すませば聞こえるのが歌なら、ふさげば、──何が聞こえるのか。

●著者プロフィール
かとう・のりひろ:1948年山形県生まれ。文芸評論家、国会図書館、明治学院大学をへて、早稲田大学国際学術院教授。東京大学文学部仏文科卒。
1985年、『アメリカの影』(河出書房新社)でデビュー。以降、現代文学批評、戦後日本論など幅広く評論活動を展開している。
著書に『言語表現法講義』(岩波書店、1996年。第10回新潮学芸賞)、『敗戦後論』(講談社、1997年。第9回伊藤整文学賞)、『日本の無思想』(平凡社新書、1999年)、『ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ』(クレイン、2002年)『テクストから遠く離れて』『小説の未来』(講談社、朝日新聞社、ともに二〇〇四年。第七回桑原武夫学芸賞)、『僕が批評家になったわけ』(二〇〇五年、岩波書店)、『文学地図-大江と村上と二十年』(朝日選書、2008年)、『さようなら、ゴジラたち──戦後から遠く離れて』(岩波書店、2010年)などがある。

●目次
第1部 奥田民生vsスガシカオ
はじめに
奥田民生
1 来歴
  広島と共産党
  ユニコーン
  ソロ
2 ディレンマ
  生きると暮らす
  「がんばりたくなさ」と詩法
3 たたかい
  『服部』/『ヒゲとボイン』
  『29』
  『股旅』と『E』
  Tour——『Lion』
  峠と隧道——『Fantastic OT9』から『OTRL』へ

スガシカオ
1 p(ぺー)とH(ハー)
  来歴・シングル・海外公演
  酸・アルカリ・中性
2 初期性の輝き──『Clover』
  『Clover』/『Family』
  「前人未踏のハイジャンプ」
  「黄金の月」──いる場所の低さ
3 日本と海外
  ロンドン公演
  日本的/日常的
  バー・地べた・空

「Jポップの越境者」解凍ファイル−1
 1 椎名林檎|遠くには稲妻。
 2 パラダイス・ガラージ|パラダイスとガラージ。
 3 フィッシュマンズ|ポッカリあいた心の穴を少しずつ埋めてゆくんだ
 4 コーネリアス|GOD ONLY KNOWS
 5 小沢健二|遠くまで行く1000灯機のように
 6 スピッツ|ウサギのバイクの一走り
 7 早川義夫|破れた空のした。歌は息絶え絶え。低く飛ぶ。

第2部 じゃがたらvsフィッシュマンズ
はじめに
じゃがたら
1 来歴
  キリスト教・清流・奨学金
  南部ロック、ウェット・ウィリー、吉田拓郎
  亀裂
  愚行
2 高圧炉とエントロピー
  『南蛮渡来』──駄洒落/空耳
  『裸の王様』、『ニセ予言者ども』──リアル/ヴァーチャル
  『それから』・『ごくつぶし』──ライヴ/デス
3 東京の空──『君と踊りあかそう日の出を見るまで』

フィッシュマンズ
1 来歴
  歴史
  佐藤伸治
  十字路──『Neo Yankee's Holiday』
  「なにもないこと」──『ORANGE』
2 「なんてったの」──前期
  低調なデビュー──『Chappie, Don't Cry』
  悪あがき──『KING MASTER GEORGE』
  十字路──『Neo Yankee's Holiday』
  「なにもないこと」──『ORANGE』
3 夕日の中で──後期
  転回──I dub fish
  密室──ワイキキビーチ/ハワイスタジオ
  一〇〇ミリちょっとの浮遊
  喪失/到来──『LONG SEASON』
  叡智
  何もしないでいること
  散開──『宇宙 日本 世田谷』
4 夕暮れ──「SEASON」
  ギロチンの夢──「ゆらめきIN THE AIR」
  未来


『Jポップの越境者』解凍ファイル2
 8 ブルーハーツ|「ないこと」と生きる歓び
 9 小島麻由美|空の、水たまり。
 10 こだま和文|「深く静かに」、「攻撃的」に。
 11 曽我部恵一|音楽は新陳代謝する。
 12 エレファントカシマシ|Elephant Vanishes
 13 町田町蔵|自分と刺し違えて、彼方へ

第3部 忌野清志郎vs桑田佳祐
はじめに
忌野清志郎
1 よくないリスニング
  来歴
  時期区分
  初期の輝き
  売れること、劣化すること
2 一九七二年◯二〇〇八年
  透明な檻、汚い毛のコヨーテ
  一九七二年二月
  明るさ
  Honesty, Acidity
  貧しさ
  『COVERS』
3 微笑み

桑田佳祐
1 出生の秘密
  仮定と問い
  非決定と無意識
  曲先、ただの歌詞
  殺されるには存在しなければならぬ
  曲と詞──「いとしのエリー」
2 全能と不能
  アイデンティティをもたないこと
  無意識と英語
  桑田佳祐の教え
  音楽の落人

あとがき

関連ディスコグラフィ
初出一覧

2011年07月15日

8/5 加藤典洋さんのトークショー開催@三省堂書店神保町本店

10日前に引越をした自宅の片付けに連日追われててお腹と背と腕の筋肉が痛い……とうめきつつイヴェントのお知らせです。7月の新刊、加藤典洋さんの書き下ろし音楽論『耳をふさいで、歌を聴く』の刊行記念として、8月5日(金)18時30分から三省堂書店神保町本店で著者のトークショーを開催します。

聞き手に元『芸術新潮』『考える人』編集長の松家仁之さんをお迎えして(村上春樹インタビューが新潮社での最後のお仕事でした)、「シロート」がどっぷり音楽に浸かった執筆生活や、その「聴く」という体験から何を得たのか、などをお話いただきます。ご期待ください!

同店で本書をお買い上げの方先着60名に整理券を配布します。予約もお受けしていますので、詳しくは公式ブログをご覧になって下さい。みなさんのお越しをお待ちしています。  [鈴木]

2011年08月22日

8/21 日本経済新聞読書面に加藤典洋さんのインタビューが掲載されました

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昨21日の日本経済新聞朝刊読書面の「あとがきのあと」というコーナーに、『耳をふさいで、歌を聴く』の著者インタビューが掲載されました。「日本ロック評論に手応え」と題して、「音楽用語を極力使わず、歌詞やインタビューなどを手掛かりにミュージシャンの表現や深層心理を読み解いていく。既存の音楽評論にない視点が新鮮だ」と、記者の方が評してくださってます。購読されてない方もぜひ図書館などでご覧になってみてください。[鈴木]

2011年08月29日

東京新聞に『耳をふさいで、歌を聴く』の書評が掲載されました

東京新聞 8月28日

8月28日の東京新聞朝刊読書面で、詩人・首都大学東京教授の福間健二さんによる加藤典洋『耳をふさいで、歌を聴く』の書評が掲載されました。

「ミュージシャンとファンがつくる局面のみに通用するのではない、切実さをさぐる言葉になっている」「中原中也、高村光太郎、宮沢賢治、サルトル、村上春樹までの文学との類縁を語りながら、ミュージシャンが歌の奥に隠している〈不安とおののき〉を引き出す」、そして「新しい批評的態度へと読者を誘う一冊である」

と評価してくださっています。日頃ヒップホップを熱心に聴いてらっしゃるという福間さんには次の『文化系のためのヒップホップ入門』もぜひ読んでいただこうと思っています。[鈴木]

こちらで全文を読むことができます。

2011年09月14日

週刊文春に加藤典洋さんのインタビューが掲載されました

週刊文春のインタヴュー記事

先週発売された週刊文春9月15日号に、『耳をふさいで、歌を聴く』の著者・加藤典洋さんのインタビューが掲載されました。本書の執筆中は「生活の八割を音楽が占めていた(笑)」こと、歌詞を入口にして論じたのは「音楽用語を用いずに語りたいと思ったから」であることなどに触れつつ、J-POPと日本社会あるいはアメリカとの関係という、この本の底に流れるテーマをしっかり捉えた取材となっていて、刺激的でした。
ザ・ブームなどを手がけるプロデューサー、佐藤剛さんからは激賞といっていいお電話をいただいたり、あちこちで高く評価されているのを知るにつけ、嬉しく思うと同時に、加藤さんにはもっと音楽を書いてほしいという欲がでますね。 [鈴木]

2011年10月07日

『ミュージック・マガジン』と『サウンド&レコーディング・マガジン』に『耳をふさいで、歌を聴く』の書評が掲載されました

日本経済新聞、中日(東京)新聞、週刊文春に続いて、『ミュージック・マガジン』10月号で仲俣暁生さんが、『サウンド&レコーディング・マガジン』10月号で横川理彦さんが、『耳をふさいで、歌を聴く』を書評してくださいました。
仲俣さんの“音楽を題材にした(良くも悪くも)無垢な「文芸批評」”と独自の視点からの評、横川さんの“大傑作、〜すべての人が読むべき必読書だ」という大絶賛、ともに嬉しいかぎりです。
音楽を作るという行為と、音楽を聴くという行為、その奥深さ、怖さ、素晴らしさを鮮やかに突いた加藤さんの眼力には、敬服するばかり。ぜひご一読下さい。[鈴木]

2011年10月08日

11/19 ジュンク堂書店池袋本店で『耳をふさいで、歌を聴く』刊行記念トークセッションを行ないます

加藤 典洋『耳をふさいで、歌を聴く』刊行記念トークセッション
“日本のロックを批評するということ”

加藤典洋(文芸評論家)×竹田青嗣(哲学者・文芸評論家)

■2011年11月19日(土)19:30~

音楽とはなにか? 才能とはなにか? ポップとはなにか?──奥田民生、スガシカオ、じゃがたら、フィッシュマンズ、忌野清志郎、桑田佳祐ほか、日本のロックに身ひとつで挑んだ、初めての音楽論『耳をふさいで、歌を聴く』は、日本のロックを、そして広く音楽を愛する人たちのあいだに衝撃を与えました。ひたすら音を聴くことによって、ミュージシャンが音楽を作るという創造の深層にまで到達した、この傑作評論の刊行を記念して、音楽を「聴く」こと、音楽で「批評」することの困難と可能性について語ります。ゲストにお迎えするのは、著者の長年の盟友でもあり、精力的な執筆活動を続けている哲学者・文芸評論家の竹田青嗣さん。どうぞご期待ください。

◇会場:4階喫茶にて
◇定員:40名
◇入場料:1000円(ドリンク+旬のお土産付)
◇受付:1階サービスカウンターにて。電話予約承ります。
    ジュンク堂書店 池袋本店 TEL. 03-5956-6111 FAX.03-5956-6100

◇ゲスト
竹田青嗣(たけだ・せいじ)
1947年大阪生まれ。在日韓国人二世。哲学者・文芸評論家。現在、早稲田大学国際教養学部教授。早稲田大学政治経済学部卒業。在日作家論から出発。文芸評論、思想評論とともに、実存論的な人間論を中心として哲学活動を続ける。フッサール現象学を基礎として、哲学的思考の原理論としての欲望論哲学を構想。大学では哲学、現象学、現代思想などを担当。主な著書に『〈在日〉という根拠』、『自分を知るための哲学入門』、『現代想の冒険』、『恋愛論』(以上ちくま学芸文庫)、『陽水の快楽』(河出文庫)、『現象学入門』、『フロイト思想を読む』(NHKブックス)、『はじめての現象学』(海鳥社)、『ニーチェ入門』、『人間の未来』(ちくま新書)、『言語的思考へ』(径書房)、『人間的自由の条件』(講談社学術文庫)、『自分探しの哲学』(主婦の友社文庫)、『ハイデガー入門』、『完全解読・ヘーゲル「精神現象学」』、『完全解読・カント「純粋理性批判」』(以上講談社選書メチエ)、『中学生からの哲学「超」入門』(ちくまプリマー新書)、『超解読 はじめてのヘーゲル「精神現象学」』、『超解読 はじめてのカント「純粋理性批判」』(講談社現代新書)、『竹田教授の哲学講義21講』(星雲社)などがある。
http://www.phenomenology-japan.com/takeda.htm

2011年10月20日

『週刊読書人』に『耳をふさいで、歌を聴く』の書評!

『週刊読書人』10月21日号で陣野俊史さんが、「音楽に対して外側に立つ」というタイトルのもと、『耳をふさいで、歌を聴く』を書評してくださいました。

「音楽を研究するわけでもなく、音楽批評の言葉を取り入れるわけでもない。研究や批評はすでにその用語ができあがっている。それを使えばいい。だが、文芸批評家の看板をおろさずに、いわば言葉のプロとして、音楽の言葉に接するとき、身の置き場はなくなる。居心地は悪い。加藤は、綱渡りのようなその行為を続けて本書を作った」

陣野さんの著書『じゃがたら』は本の中でも参照されています。その上書評までいただいて、ありがとうございました。 [鈴木]

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