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2007年08月18日

ウェブサイトがオープンしました!

ようこそ、アルテスのウェブスペースへ!

株式会社アルテスパブリッシングは2007年4月に設立した新しい出版社です。音楽についての書籍を中心に、企画・編集・制作から発行・発売まで手がけていきます。第1弾書籍の刊行は9月末の予定です。

アルテスがどんな会社なのか、どんな人間がどんな本をつくり、どんな毎日を送っているのか。そして音楽についてのあれこれの情報を、これからこのブログを使ってお伝えしていこうと思います。

このサイトはアルテスの応援団のひとり、Y嬢が心をこめてつくってくれました。これから会社の成長とともにサイトのほうもどんどん発展させていきますので、どうぞご期待ください! まずはウェブサイト・オープンのご案内まで。

2007年08月20日

音楽のような本をつくりたい――ご挨拶にかえて

みなさん、はじめまして。アルテスの木村元です。ウェブサイトのオープンにあたり、ご挨拶させていただきます。

大学を卒業してすぐに出版社に入社し、以来丸19年、ひたすら書籍を作りつづけてきました。書籍といっても、勤務していたのが音楽之友社という専門出版社でしたから、「音楽の専門書籍」ばかりを、数にして200点以上せっせとつくってきた、ということになります。

このたび、同じく音楽之友社出身の鈴木とアルテスパブリッシングを立ちあげるにあたって、「〈音楽〉ということばは社名に入れないようにしよう」と確認しあい、「技芸・学芸一般」を意味するラテン語「artes」を名前に冠したわけですが(「会社案内」もご参照ください)、でも専門出版社で育った人間がいきなり専門でないことを始めるわけにもいきません。やはりこれからも「音楽の専門書籍」を中心に、それ以外のことにも少しずつチャレンジしながら、出版活動をしていきたいと考えています。

でも、せっかく新しく会社をはじめたのですから、胸に秘めたるささやかな野望というのも、ないではありません。ぼくたちはこれまで「音楽についての本」をつくってきましたが、これからは「音楽のような本」をつくってみたい――というのがぼくの夢です。

考えてみれば、「音楽書籍」ということばは、それじたいのなかに矛盾というか背理を含んだことばです。「音楽について書かれた本」を読んでも、かんじんの音楽は聞こえてこないし、音楽を聴いたときの感動を味わうことができるわけでもない。「本をいくら読んだって、音楽がわかったことにはならない」といわれることもよくあります。そのとおりでしょう。

ただ、そもそも本というものは、そのなかに書かれている知識・情報の容れ物というだけではないのではないでしょうか。その重みをたなごころに感じ、カヴァーや本文用紙の質感を指に感ずること、からだ全体に知がしみこんでいくのと同じスピードでページを1枚1枚めくること、読み了えた本をそっと書棚に戻すときの充実した気持ち――それらすべての総体をぼくたちは「本」という名前でよんでいるのかもしれません。

アルテスがこれからつくる本の多くは「音楽についての本」になるはずです。でも、ただたんに「音楽についての知識・情報をパッキングした容れ物」をつくるのではなく、むしろ、かりに音楽についてひとことも書かれていなかったとしても、その本を読むことじたいが、なにかよい音楽を聴いたときと同じような体験をあたえてくれる――そんな本をつくれたら、と心から願っています。

最後になりましたが、今日にいたるまで応援・協力をいただいたすべての方々に、心から感謝いたします。これからもアルテスパブリッシングを末永く見守り、ご指導くださいますよう、この場を借りてお願い申し上げます。[木村]

2007年08月21日

[ライヴ]8/23 eX.5 ~大井浩明ピアノリサイタル

作曲家・川島素晴と山根明季子による現代音楽シリーズ「eX.」。8月23日は、ヨーロッパで活躍中のピアニスト・大井浩明の登場。現代音楽のスペシャリストでありながら、近年は古典の活動が多いが、日本ではひさびさの全曲現代音楽によるリサイタル。

8月23日(木) 18時半開場 19時開演 \3000(予約\2500)
原宿・アコスタディオ
◆シェーンベルク/5つのピアノ曲/黄金の仔牛の踊り(川島編/初演)
◆佐藤慶次郎/カリグラフィー
◆クセナキス/ヘルマ
◆川島素晴/ピアニストのためのポリエチュード
 ポリスマン/トランポリン/ポリポリフォニー/新作初演
◆山根明季子/懐疑モデル(新作初演)
◆シュトックハウゼン/ピアノ曲X

大井浩明略歴

[詳細]http://www.komp.jp/07_08_23.html

2007年08月21日

「カフェ・フィガロ」に出演しました

音楽ジャーナリストの林田直樹さんがホストをつとめるネットラジオ番組「林田直樹のカフェ・フィガロ」に、鈴木・木村が出演しました。

8/7の第1回放送に続いて本日(8/21)から後半が放送されます。しばらくすると無料登録した会員だけが聴けるバックナンバーに移り、その後は聴けなくなってしまうようです(8/7放送分はすでにバックナンバーに移っています)。

第1回は音楽之友社の元同僚でもある林田さんと、古巣の職場談義、出版界の裏事情といった、なんだかディープでローカルな裏話に終始した感がありますが(身内には好評でした^^)、第2回はもう少し音楽に関連した話になってるかどうか……(どんな話をしたか、すでに忘れてしまいました)。

アシスタント(この番組ではウェイトレスという)の方がいらっしゃるのですが、元同僚3人が集まってどうしてもジャーゴンだらけの与太話になりかけるのを、この方が必死に食い止めて、とっても楽しげな「起業談義」へと変えてくださいました。柳さん、どうもありがとうございました。

あと、林田さんがすっかりラジオ・パーソナリティに慣れておられるのにびっくり! 音楽之友社って、人材の宝庫だったんですね。呼んでいただいて、感謝です。[木村]

◎林田直樹さんのブログはこちら:LINDEN日記

2007年08月22日

[ライヴ]8/30 三宅榛名ピアノ・ライブ

「8月最後の木曜日、ピアノとエレクトリック・ヴァイオリン、聴きに来ない?」と題して、勝井祐二(elec.vn)をゲストにむかえてのコンサート。

2007/08/30 19:30 start(19:00 open)
渋谷 公園通りクラシックス
一般:予約3,000円/当日3,500円
学生:予約・当日とも2,500円
1 drink付

予約・問い合わせ:03-3464-2701(クラシックス/17:00以降/月曜休)
www.radio-zipangu.com/koendori/

2007年08月22日

[ライヴ]9/21 下山静香ピアノリサイタル

スペインのバロック音楽やモーツァルトなどで評価を得ているピアニスト・下山静香のオール・モーツァルト・リサイタル。サロン所蔵のフォルテピアノ、現代のピアノ、モーツァルトも愛用していたクラヴィコードという3種類の異なる鍵盤楽器によるコンサート。

◎曲目
W.A.モーツァルト
幻想曲 K.397 d moll
ソナタ第2番 K.280 F dur
ソナタ第8番 K.310 a moll
クラヴィコードで聴く初期の作品
幻想曲 K.475 c moll
ソナタ第14番 K.457 c moll

2007/09/21(金)19:30
カルラホール(下記のチラシ参照)
2,500円
主催:I.P.G.W 東京
お問い合わせ:03-3439-7507

下山静香ホームページ

2007年08月22日

[イヴェント]9/1 斎藤信哉/ピアノはなぜ黒い?

話題の書『ピアノはなぜ黒いのか』(幻冬社新書)の作者・斎藤信哉氏によるレクチャー。

2007年9月1日(土)14:00~16:00
場所:サロン・ド・パッサージュ
入場料:大人1,000円(高校生以下無料)

http://www.pianopassage.jp/piano/news/topics.cgi

2007年08月23日

インディーズ・レーベルのように

相棒の木村にすっかり出遅れてしまいましたが、日本で2番目に小さい出版社(^^)、アルテスパブリッシングの鈴木茂です。参考書を買ってきて株式会社の作り方を勉強するところから始めて、自力で登記にこぎ着けたのが4月5日。それからさらに4ヶ月以上かけてウェブサイトをオープンできました。ようやく世の中に存在している実感が湧いているところです。

「自分で出版社をやってみたい」という思いが自分のなかでくっきりと形になっていくにあたっては、たったひとりでCDレーベルを運営している友人たちの影響が大きかった。制作からプロモーション、販売までフル回転しているdoubtmusicの沼田さんやThe Music Plantの野崎さんを見ていて、出版もあんなふうにやれたらいいんじゃないか? と思うようになったのだ。それに中川敬、山口洋、大熊ワタル、ムーンライダーズといった敬愛するミュージシャンたちの真にインディペンデントな活動にも大いに刺激された(同じ再販商品とはいっても、CDと書籍では業界事情もちがうし、出版業界の新規参入障壁の高さも実感しているけど、その話はまた別の機会に)。

もうひとつ、3年ほど前に著作権法改正反対運動に参加したときに切実に感じたのが、自分で責任がとれる自前のメディアが欲しい、ということ。だれかに迷惑をかけるんじゃないか、なんて気にしなければいいのかもしれないけど、ついつい余計な気を回してし、不自由を感じてしまったのだった。

そんなわけで、インターネット・ラジオのカフェ・フィガロでも喋ったように、創業の思いみたいなことをあえて言葉にすれば、目新しさはないけど、「出版のインディーズ・レーベルをやりたい」というのがいちばんしっくり来るとおもう。

音楽と出版のなかのごく限られた世界で生きてきただけで、これといって高邁な理想があるわけじゃないし、編集者として特別な才があるわけでもない。もちろん豊富な資金とも縁がない。それでも、書きたいことを持っている人、それを本というかたちにして世に出したいと望んでいる人が、その思いを実現していくお手伝いぐらいはできるんじゃないか。や、もっと正直に言えば、自分が読みたい本、世に存在させたいと思える本を作って売って、食べていけたら…。「本は、ニーズがないのに作られる珍しい商品だ」とも言われるけど、逆に言えば出版はこんな素朴な夢が通じる(かもしれない)世界なのだ(音楽も)。

同じ思いを抱いている編集者は無数にいると思う。どこの会社で仕事をしていても、多くの編集者はみな同じ愚痴をこぼし、同じ怒りを抱え、同じ夢と迷いを抱きながら、仕事をしているんだと思う。

そんななかでずいぶん時間はかかったけど(四捨五入したらもう50だ!)とにもかくにも版元としてスタートを切ることができた僕らは幸せ者だ。多くの友人・知人、仕事仲間、そして出版界の先輩たちから、親身な励ましの言葉と現実的で有益なアドバイスをいただいた。編集者二人で始めたこの先行きのしれない零細出版社に大事な原稿を預けてくださった著者と翻訳者のみなさんにも、どんなに感謝してもしきれない。質の高い本を作って、会社をきちんと成り立たせて、ご恩返しをしたいと思う。[鈴木]

2007年08月23日

[ライヴ]8/30~9/1 パト・フ初来日

ブラジルのポップ・ロック・バンド、パト・フが来週初来日するそうです。
31日の神楽坂は百人町音樂夜噺(ノルデスチ特集)と重なっちゃってるので、30日のタワレコに行ければと思ってます。

詳しくは大洋レコードのサイトと、中原仁さんのブログをどうぞ。

2007年08月23日

[イヴェント]9/15 レコード・コンサート「ファドの100年」

音楽評論家の北中正和さんから、ご自身が主宰されているレコード・コンサート・シリーズ「世界の音楽を聞くvol.3」のご案内をいただきました。

レコード・コンサート・シリーズ〈世界の音楽を聞くvol.3〉
「ファドの100年~アマリア・ロドリゲスとその周辺」

「アマリア・ロドリゲスだけがファドじゃない。知られざる名手のレア音源を駆使して、有名なわりに実態を知られていない都市型歌謡、ファドの歴史と真髄を徹底追究」というわけで、アナログ音源・美麗ジャケットを多数用意してお待ちしています。

◎9月15日(土)午後3時半開場、4時スタート
渋谷国境の南 電話03-3463-5381
会費1000円(ワンドリンクつき)
司会:蒲田耕二、北中正和、田中勝則

2007年08月24日

8/22|指揮者はガテン系がいい

2010年のショパン・イヤーに向けて、小坂裕子さんにお知恵を拝借。方向性の違った面白いアイディアをいくつもいただいた。「専門家の話を聞く」ということは、編集者にとってとっても楽しく、ありがたく、そしてたぶんもっとも重要な仕事なのだ、と再認識。

高田馬場で昼食を兼ねて作戦会議。考えるべきことが多すぎて、隊長とふたりで途方にくれる。でも、会議の前に買った本についてだべってたりして、なんかこう、まったりしてしまうのであった。うちら、いつもそうです(苦笑)。

吉祥寺でデザイナーの久保和正さんと、リュック・フェラーリの映画を2本。1960年代のセシル・テイラーとオリヴィエ・メシアンのリハーサルを収めた貴重な映像。セシル・テイラーの矛盾にみちた語りと、エネルギッシュな演奏。首尾一貫しないことを首尾一貫しておこなうことのすごさ。かたや、テイラーが「音楽の行為を分割する」ものとして否定した「楽譜」を終始手にしながら、音響の建築現場を冷徹なまなざしで監督するひと――メシアン。

去年観たフェラーリの『ヴァレーズ礼賛』ではブルーノ・マデルナ、このメシアンではセルジュ・ボドが、「解釈をする人」ではなく、楽譜に書かれてあることをきちんと演奏する「ガテン系」職人指揮者として登場。フランスの現代音楽の指揮者って、こういうひとが多いんだろうか。[木村]

2007年08月27日

オンライン書店で予約が始まっています

アルテスパブリッシング最初の1冊となる『村上春樹にご用心』は、9月29日に発売すべく編集作業が追い込みに入っていますが、一部のオンライン書店では予約を始めています。今のところAmazon.co.jpビーケーワンの2店だけですが、近日中にセブンアンドワイ、Yahoo!ブックス、e-honもご利用いただけるようになる予定です。

また、10月発売予定の『クラシックでわかる世界史』のほうは逆にe-honセブンアンドワイYahoo!ブックスでご予約いただけます。Amazon.co.jp、ビーケーワンなどは今しばらくお待ち下さい。

2007年08月28日

8/23|ピアノが鳴ってしまう

銀行や市役所をまわってから(わたくし、総務担当なもんで^^)、梅丘の橋本金夢さんの仕事場へ。ややこしい歴史地図の依頼。細かいこといわずに「まかせとけ」ってスタンスがほんと気持ちいい。

巣鴨のピティナで福田専務理事と事務局の實方さんと、これから始まるウェブ連載について打ち合わせ。ピティナのウェブサイトを「ヴァーチャル学会」というイメージで展開したい、という福田さんの構想に深く賛同。これからは学問の時代です。

バビューンと新宿へ。片山杜秀さんと冬に出す新刊の打ち合わせ。9月に出る右翼の本がようやく校了になったそうで、充実のご様子。先週、自宅書庫が蔵書の重量で「全壊」したとのこと。笑っちゃいけないけど涙が出るほどおかしい。

夜は原宿で大井浩明さんのリサイタル。川島素晴さんの「eX.(エクスドット)」シリーズの一環で、ひさびさのオール現代音楽もの。この人の音色がとにかく好き。理屈抜きで気持ちいい。ピアノを鳴らそうというのではなく、ピアノがみずから欲して鳴ってしまう、そんなイメージ。これは大井さんがブログなんかで書いている「脱力」ということの要諦だろうし、なにより、「現代音楽は美しいか」という永遠のテーマにひとつの解を与えるものだと思う。だって、美しいんだもん。[木村]

2007年08月29日

版元ドットコムに入会しました

書誌情報のネット上での提供を大きな目的とする出版社の団体、版元ドットコムに、8月28日から正式に会員社として参加しました。小社が101番目の参加となるようです。新米としては諸先輩には教えを乞うばかりなのですが、オープンで柔軟な議論を展開する姿勢には共感と信頼を持っています。読者のみなさんには版元ドットコムのサイトから書籍をご購入いただけるようになります。どうぞよろしくご愛顧ください。

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