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2014年04月02日

〈いりぐちアルテス005〉オケ奏者なら知っておきたいクラシックの常識(長岡 英 著)


5月2日発売!

シンフォニーは開幕ベルの代わりだった!?────
交響曲やオーケストラの成り立ち、作曲家や楽器のトリビアなど、
西洋音楽史のトピックをわかりやすく解説。
オケ奏者とオケ・ファンに贈る
知って楽しい「クラシックの常識」案内!

四六判・並製・カラー口絵4頁+224頁
定価:本体1600円[税別]
発売:2014年5月2日
ISBN978-4-903951-90-4 C1073
ブック・デザイン:福田和雄(FUKUDA DESIGN)
シリーズ・デザイン:白畠かおり
ジャンル:クラシック/オーケストラ/音楽史


>> 詳細

2014年04月03日

『オルティス 変奏論』の独版刊行! 記念演奏会も

2010年1月に初版刊行し、好評につき同年12月にはオンデマンド版として新版を刊行した『オルティス 変奏論』(ディエゴ・オルティス著/平尾雅子訳・解説/濱田滋郎監修)。このほどドイツの出版社オッフェンブルグ・エディションから、平尾雅子さん監修・解説によりマドリッドの国立図書館に保管されているイタリア語版を原本とする現代譜が刊行されることになりました。

同書の出版を記念し、7/11(金)、演奏会が開催されます。当日はオフェンブルグ版楽譜も販売されます。詳しくは以下をごらんください。

[木村]


ディエゴ・オルティス レチェルカータ&宗教曲《詩編、賛歌、サルヴェ・レジーナ》
~マドリッド本『変奏論』レチェルカータ 楽譜出版記念(Edition Offenburg)~

■日時
2014年 7月11日(金)19時開演 18時30分開場

■会場
日本福音ルーテル 東京教会 (新大久保)
■曲目     
無伴奏レチェルカータ 第2番              
ラ・スパーニャを定旋律とするレチェルカータ 第2,3,5番
詩編113 しもべたちよ、主をたたえよ Laudate pueri
賛歌   幸あれ、海の星 Ave maris stella
幸あれ、海の星 Ave maris stella を主題とする対旋律  
リチェルカーレ 第2番 (A.ヴィラールト)
栄えあれ、女王 Salve regina
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
シャンソン あまい想い出 Doulce memoire (P.サンドラン)
  レチェルカータ 第1,2番
マドリガーレ ある日夢見て un giorno dormendo (J.アルカデルト)
  ソプラノ声部のディミニューション
  カプリッチョ (V.ルッフォ)
テノーレ
パッサメッゾ・アンティーコ
 パッソ エ メッゾによるテノーレ (A.ヴァレンテ)
  レチェルカータ第5番 
ロマネスカ
  パドヴァーナとガイヤルダ (A.ロッタ)        
 レチェルカータ第6番 
ガンバ(フォリーア)
   カプリッチョ(V.ルッフォ)
 レチェルカータ第4番 
   レチェルカータ第8番 
 わたしの足取りは Mes pas semez (A.ル・ロワ)

■出演
ソプラノ 鈴木美登里
カウンターテナー 上杉清仁
テノール 谷口洋介 及川豊 
バス 小笠原美敬
ヴィオラ・ダ・ガンバ 平尾雅子
リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ 坂本龍右
ヴィオローネ 菅間周子
オルガン、チェンバロ、ギター 上尾直毅
  
■構成 
平尾雅子

■料金
一般 4500円  学生 2000円

■予約・お問い合せ
  【RMプロジェクト】 Tel. 045 913 1422 Fax 045 913 1170
e-mail rmpro.ticket@gmail.com
   e-mail info@masakoahirao.net
【アヴァンティ(予約のみ)】
    e-mail avanti@avanti.gr.jp

■チケット扱い
東京古典楽器センター 03 3952 5515

■後援
  日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会
  日本イタリア古楽協会


紹介文

 ディエゴ・オルティス Diego Ortizは、 1510年頃スペインのトレドに生まれ、イタリアのナポリ副王室礼拝堂で活躍した作曲家ですが、こんにちでは、1553年ローマで出版された『変奏論 Trattado de Glosas』の著者として有名です。第1部には16世紀の変奏法であるディミニューションのお手本が書かれ、第2部ではディミニューションを用いながらいかに対旋律を作るか、その模範例としてレセルカーダ(レチェルカータ)が掲げられています。
 この演奏会では、この他に副王室礼拝堂のために作曲された宗教曲、そしてまた同時代の作曲家による器楽曲も交え、みなさまを鬼才オルティスとその周辺の "美の世界" にお誘いしたいと思っています。  
  なお、演奏会当日、ドイツの楽譜出版社、オッフェンブルグ・エディションによるイタリア語版『変奏論』(スペイン国立図書館蔵)の新版、 D.Ortiz: RECERCATE が販売されます。 平尾雅子

レセルカーダRecercada とレチェルカータRecercata について

オルティスの作品というと、スペイン語のレセルカーダという名で知られています。『変奏論』は当時としては珍しくスペイン語とイタリア語の2カ国語で出版され、イタリア語ではレチェルカータ(現代イタリア語ではリチェルカータRICERCATA)といいますが、この名称は今日ほとんど目にすることがありません。というのは、次のような理由があるのです。
『変奏論』の原典は現在3冊残っており、1冊はスペイン語、2冊はイタリア語です。今まで現代譜やファクシミリの原本として用いられてきたのは、ベルリンの国立図書館蔵のスペイン語版とボローニャの市立音楽図書館蔵のイタリア語版で、このイタリア語版はおそらく当時の印刷屋の綴じ方ミスによる乱丁本のため、楽譜のところがほとんどスペイン語なのです。そのため、レセルカーダという名ばかりが有名になってしまったというわけです。
 今回、マドリッドの国立図書館に保管されている、正しく製本されたもう一冊のイタリア語版を原本とする現代譜が出版されることになり、レチェルカータの名が日の目を見ることになりました。

2014年04月05日

創業7周年!

本日4/5、アルテスパブリッシングは創業7周年を迎えました。7年前のちょうど今のような桜の季節に、多摩センターの司法書士の事務所や法務局に通って、手続きしたことを昨日のことのように思い出します(ちなみに、定款の作成や諸手続きは参考書を見ながらすべて自力でやりました)。

その年の9月に内田樹さんの『村上春樹にご用心』でデビュー(?)。以来走り続けて、7年間で80点を超える書籍を刊行することができました。スタート時の夫婦ふた組からスタッフも増えて総勢8人になりました。まだまだ至らないことばかりですが、書店、楽器店、取次など取引先のみなさま、著者のみなさま、そして読者のみなさま、これまで有形無形の応援をしてくださったみなさまに、心から御礼を申し上げたいと思います。

『アルテス』電子版サイトに続いて、来月には会社本体のサイトもリニューアル、さらに7周年記念のイヴェントやブックフェアなどで1年間お騒がせすることになりますが、ぜひいっしょに盛り上がっていただけたらさいわいです。

「音楽を愛する人のための出版社」として、初心を忘れず、みなさんに楽しんでいただける本をつくっていきますので、どうぞ変わらぬ応援をよろしくお願いいたします!

株式会社アルテスパブリッシング
代表取締役 鈴木 茂・木村 元

2014年04月10日

光嶋裕介さんが「ガウディ×井上雄彦」展の公式ナビゲーターに就任!

『みんなの家。建築家一年生の初仕事』の建築家・光嶋裕介さんが、来る7月12日から開催される「特別展 ガウディ×井上雄彦-シンクロする創造の源泉-」の公式ナビゲーターを務めることになりました。

この展覧会は「日本スペイン交流400周年」を飾る文化事業で、希代の建築家・ガウディと漫画家・井上雄彦の時空を越えたコラボレーションが実現するというもの。

『みんなの家。』にもご登場くださった井上さんは、“ガウディの世界観”を筆で表現すべく、ガウディが設計した世界遺産「カサ・ミラ」の中にアトリエをかまえています。光嶋さんもバルセロナに飛んで現地からレポートしたりするそうなので、今から期待が募ります。

「特別展 ガウディ×井上雄彦-シンクロする創造の源泉-」の詳細は公式サイトをどうぞ!

2014年04月10日

4/15発売 鷲尾惟子『シルクロード・ウイグル族の音楽──その歴史と現在』


「本書は、私が出会ったアブドゥラー(・アブドゥレィム)とともに、彼から見えてくるウイグル族の伝統音楽や文化、習慣、音楽業界など、古今におけるウイグル音楽の諸相を日本の方々に紹介することを目的とした小冊である」──著者より

本書は中央アジア・新疆ウイグルの伝統音楽・ポピュラー音楽・文化を研究し、日本に紹介もしている著者がフィールドワークから得た内容を一般向けにまとめたもので、著者自ら制作した書籍(雑誌に近い作りです)の発行・発売をアルテスでお引き受けしたものです。
ウイグル音楽に関して日本語で書かれた研究やレポートはたいへん貴重で、ウイグルにとどまらず中央アジアの文化や広く伝統音楽に関心を持つ方にも喜ばれると思います。

A4判・並製・44ページ
定価:本体1500円+税
発売:2014年4月15日
ISBN978-4-903951-85-0 C1073
ジャンル:ワールドミュージック/民族音楽
デザイン:office MD&S

●目次
1 新疆とウイグル族
2 ウイグル族の音楽と芸能
3 ウイグル・ポップスの世界
4 ウイグルのスター、アブドゥラー・アブドゥレイム
5 アブドゥラーの生い立ち
6 アブドゥラー・コンサート評
7 対談:アブドゥラー×鷲尾惟子
8 付:ウイグルの習慣豆知識

●著者プロフィール
鷲尾惟子(わしお・ゆいこ)
ピアニスト・民族音楽学。1991年、桐朋学園大学演奏学科ピアノ専攻卒業。2007年、奈良女子大学大学院前期博士課程修了。2011年、同大学院後期博士課程修了・学位(学術博士)取得。
おもな著作に、「民謡の歌詞と演奏スタイルに見る『個人』の役割」(奈良女子大学大学院人間文化研究科年報28、191-201、2013)。『朝倉世界地理講座──大地と人間の物語──第5巻中央アジア』(共著、朝倉書店)。『中国ムスリムを知る60の章』(共著、明石書店、2012)。『砂漠の事典』(共著、丸善株式会社出版、2009)。『風通信』(風の旅行社、2009)。『まほら』(旅の文化研究所、2008)ほかがある。
ウイグル音楽の演奏と研究を行う傍ら、日本や現地にて文化放送、慈善活動を行う。
サイト:http://yui-wsh.kir.jp/



2014年04月11日

5/22 京都大学人文研アカデミーで岡田暁生×フィリップ・ストレンジ出版記念トーク&ライヴ

『アルテス』電子版で「見た! 聴いた! うそじゃない!」を好評連載中の岡田暁生さんが、ジャズ・ピアノの師匠であるフィリップ・ストレンジさんとタッグを組んだ強力なジャズ入門書『すごいジャズには理由(ワケ)がある──音楽学者とジャズ・ピアニストの対話』は、5月中旬の発売に向けて現在鋭意編集中ですが、出版記念イベントがいくつか決まっていますので、順次お知らせしていきます。

まずは5/22(木)京都大学にて、ジャコ・パストリアス、フランク・シナトラ、ボブ・ジェイムズなどとも共演したトランペット奏者でヴォーカリストでもあるスティーヴ・ハヌマンさんを迎えて、「ジャズ・ヴォーカルの伴奏」をテーマにしたレクチャー・コンサートがおこなわれます。フィリップさんの伴奏は歌詞の意味の深い理解のうえに、ヴォーカリストのエモーションをリアルタイムでキャッチする素晴らしいもの。その秘密がここで明かされます! もちろん、二人による演奏もお楽しみいただけます。

入場無料(事前申し込み不要)ですが先着200名限定とのこと。「人文研アカデミー」はいつも立ち見の出る人気のシリーズですので、ぜひいまからしっかりとカレンダーに予定を書きこんで、当日はお早めにご来場ください。詳細は下記のとおりです。


京都大学人文研アカデミー
詩・ハーモニー・アドリブ
――ジャズ・ヴォーカルを伴奏する
http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/zinbun/academy2014.htm

日時:5月22日(木)18:30~20:00

講師:フィリップ・ストレンジ/岡田暁生/スティーヴ・ハヌマン

場所:芝蘭会館(京大医学部構内)稲盛ホール

※先着200人限定、事前申し込み不要

大変好評を博した2013年度のストレンジ氏による人文研アカデミー・レクチャーコンサートに引き続き、今回はフィリップ・ストレンジ/岡田暁生『すごいジャズには理由がある──音楽学者とジャズ・ピアニストの対話』(アルテスパブリッシングより5月に発売予定)の刊行を記念して、ジャズ・ヴォーカルとその伴奏のわざをテーマにレクチャーを催します。伴奏ピアニストは、ただのカラオケではありません。どんな風に歌手の呼吸を感じ、やりとりを楽しみ、音楽を展開するのか。伴奏の名手でもあるストレンジ氏にその極意をうかがいます。そして今回のもう一人のゲスト、スチーブ・ハヌマン氏(ヴォーカル兼トランペット)はスイングからフリージャズまであらゆるスタイルを自由に駆使する、素晴らしいミュージシャンです。もちろんレクチャーだけでなく、お二人による演奏も存分に楽しんでいただきます。


岡田暁生(おかだ・あけお)
1960年京都市に生まれる。大阪大学大学院博士課程単位取得退学、大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、現在、京都大学人文科学研究所教授、文学博士。著書「<バラの騎士>の夢」(春秋社)「オペラの運命」(中公新書・サントリー学芸賞)「西洋音楽史」(中公新書)「ピアノを弾く身体」(監修・共著・春秋社)「恋愛哲学者モーツァルト」(新潮選書)「CD&DVD51で語る西洋音楽史」(新書館)「ピアニストになりたい!」(春秋社・芸術選奨文部科学大臣新人賞)訳書「シャンドール ピアノ教本」(監訳・春秋社)

フィリップ・ストレンジ Phillip Strange (ピアノ)
1960年テキサス生まれ。グレン・ミラー・オーケストラのメンバーとして1988年に初来日、10年間甲陽音楽院(神戸)で教鞭をとった後、1999年より奨学金給費特別研究員としてマイアミ大学に招かれる。2003年にキース・ジャレットの即興についての論文で博士号を得る。2005年までマイアミ大学講師(ジャズ・ピアノ)。マイアミ時代にはダウンビート誌よりBest Instrumental Jazz Solist (2002, 2003)、Best Jazz Original Composition (2002)、Best Jazz Instrumental Group (2001)を受賞。クレア・フィッシャー、ヴィンス・マッジョらに師事。ジョー・ヘンダーソン、ルー・タバキン、デーブ・ホランド、ピーター・アースキン、マーク・ジョンソン、ジェームス・ムーディー、ケビン・マホガニーらと共演。リリースCD多数。現在大阪在住、梅田ライブハウスAzulのハウスピアニスト。

スティーヴ・ハヌマン Steve Hanuman (ヴォーカル/トランペット)
ペンシルバニア郊外のデラウェアで育ち、マイアミ音楽大学を卒業後、ジャズ・トランペット奏者、作曲者、プロデューサーとして活躍。ソロ・トランペット奏者としてジャコ・パストリウス、フランク・シナトラ、トニー・ベネット、デイヴ・リーブマン(マイルス・デイヴィス カルテット)、ボブ・ジェイムス。日本人アーティストでは、トク、カワナ、ヒノ・ケンジ、ジェフェリー・クエスト(倉木まいバンド)その他、多くの有名人アーティストとの演奏・レコーディング経験を持つ。作曲者、プロデューサーとしては、日本で10年以上放映され続けているKIDSのCM曲”You changed the feeling”を作曲。最近ではヒロ・ヤマガタ氏と共にテレビCM曲をプロデュースしている。

2014年04月11日

6/14 恵文社一乗寺店にて岡田暁生×フィリップ・ストレンジ刊行記念トークイベント開催

5/22(木)の京大人文研アカデミーでのトーク&ライヴに続き、6/14(土)には本好きに大人気の京都の書店「恵文社一乗寺店」に併設されたイヴェントスペース「COTTAGE」にて、岡田暁生さんとフィリップ・ストレンジさんの二人によるトークショーが開催されます。

今回のイベントでは、本の中でも取り上げられているジャズ・ミュージシャンの「どこがすごいか」を映像を交えながら解説していくので、ジャズにはまだ今一つ目覚めていない人も、このイベントできっと目を見開かされることになるのではないでしょうか。

こちら、要予約となっていますので、みなさまお誘い合わせのうえ、お早めにお申し込みください。詳細は下記のとおりです。


岡田暁生(京大教授)×フィリップ・ストレンジ(ピアニスト)

『すごいジャズには理由(ワケ)がある』刊行記念トークイベント

クラシックの音楽学と音楽評論で著名な岡田暁生氏がこのところ身も心も捧げる「ジャズ」。師匠のフィリップ・ストレンジ氏は数多くの著名プレイヤーと共演を重ねてきた名ピアニストで、クラシックの現代音楽にも精通する理論家でもあります。ふたりの対話による入門書『すごいジャズには理由(ワケ)がある』(アルテスパブリッシング)の出版を記念し、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズらの名演の映像を見ながら、彼らの音楽の「どこがすごいのか」を解き明かします。

日時:6月14日(土)

開場17:30

開演18:00

場所:恵文社一乗寺店COTTAGE(京都市左京区一乗寺払殿町10)
http://www.cottage-keibunsha.com/
出演:岡田暁生/フィリップ・ストレンジ
料金:1500円

ご予約:要

※件名を「恵文社一乗寺店 ジャズ・トーク申し込み」とし、
「お名前」「お電話番号」をかならずご記入のうえ、
「info●artespublishing.com」(●をアットマークに書き換えてください)
まで、メールにてお申し込みください。

2014年04月13日

今井顕さんが『モーツァルト家のキャリア教育』を絶賛!

ピアニストで国立音楽大学大学院教授の今井顕さんが「KINOKUNIYA書評空間」にて、久保田慶一さんの『モーツァルト家のキャリア教育』を書評してくださいました。
http://booklog.kinokuniya.co.jp/imaiakira/archives/2014/04/post_90.html

……本書のような切り口でまとめられたモーツァルト研究は初めてだろう。メイナード・ソロモンによる大著『モーツァルト』(新書館)にもモーツァルト父子のあいだに生じていたストレスを「親離れ・子離れ」という視点から捉えた考察が提示されていたが、久保田の解析レベルには達していない。
本書ではまずモーツァルトの父、レオポルトの生い立ちや家庭環境が詳細に紹介される。「天才児モーツァルトを育てた教育者としてのレオポルト」がどのようなキャリアを積み、どういう価値観の持ち主だったか、という情報は、息子ヴォルフガングの成長を評価していく上で欠かせない重要事項だ。そればかりでなく、実はこの本の主人公は息子ではなく、父親レオポルトなのである!

と、同書の核心をとらえた的確な紹介。ちょっとやり過ぎたかな(笑)とも思っていたサブタイトルや帯のキャッチコピーについても、こちらの意図を汲んでくださって、うれしいかぎりです。

今井顕さんにはこれまで何度もアルテスの本を取り上げていただきましたが、「KINOKUNIYA書評空間」で今井さんの書評を読むことができるのはこれが最後だそうです。ありがとうございました。

[木村]

2014年04月16日

『Record Covers in Wadaland』の書評が『レコードコレクターズ』5月号に掲載!


2月に発売した『Record Covers in Wadaland 和田誠レコードジャケット集』の書評が『レコードコレクターズ』誌5月号に掲載されました! 評者はなんと本秀康さん!

全文をご紹介したいくらいですが、「和田さんの仕事は他のレコジャケ・クリエイターより音楽への踏み込みが深い」「自由度の高い環境で楽しんで描いた作品ばかりで、絵としてどれも素晴らしい」と手放しで評価してくださいました。そして「中古レコード市場的に珍しいジャケットが多く含まれている点はレコード・マニア的にたまらない」とも。本さん、どうもありがとうございました! [鈴木]



2014年04月19日

5月下旬発売! すごいジャズには理由(ワケ)がある──音楽学者とジャズ・ピアニストの対話(岡田暁生+フィリップ・ストレンジ 著)


「ジャズがわかる」って、こういうことだったのか!

クラシックの音楽学者が知性派ジャズ・ピアニストに弟子入り!
ビル・エヴァンズ〈マイ・ロマンス〉、
マイルズ・デイヴィス〈マイルストーンズ〉、
ジョン・コルトレーン『至上の愛』、
チャーリー・パーカー〈ヤードバード組曲〉など、
誰もが知る名演を題材に、ジャズの奥義を学ぶ!

名演の構造がわかる! 分析的ジャズ入門。


四六判・上製・248頁
定価:本体1800円[税別]
発売:2014年5月下旬
ISBN978-4-86559-000-5 C1073
装丁:平野甲賀
ジャンル:ジャズ/ガイド


>> 詳細

2014年04月19日

フィリップ・ストレンジさんの序文を公開します。

5月下旬発売予定の新刊、『すごいジャズには理由(ワケ)がある』。著者のひとりでジャズ・ピアニストのフィリップ・ストレンジさんによる序文を一足先に公開いたします。この本の「すごさ」が簡潔に言い表されているとともに、知的でジャズへの愛情にあふれた素晴らしい序文です。


読者のみなさんへ

 ジャズは彩り豊かな長い歴史をもっています。エンタテイナーたち、コメディアンたち、とてつもない美女たち、カッコイイ男たち、麻薬患者、金持ちのパトロン、奴隷だった人々、ダンサー、ヨーロッパのセレブ、ボクサー、牧師、背後にマフィアがいる連中、レコード会社の重役、独学のミュージシャン、音楽院を卒業した人たちなどなど……。
 多くのジャズ・ミュージシャンは物語のような人生を送ってきました。口コミの楽しいエピソード、とりわけ事実とも作り話ともつかないご乱行の物語のオーラが、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズといった伝説のミュージシャンたちを彩ってきました。多くの伝記が彼らのキャリアについての一般的な説明に加えて、その個人生活の興味深く生き生きしたポートレイトを提供してくれます。
 しかしながら、アーティストの真価とは最終的には彼らの芸術のクオリティにもとづくものです。ジャズはいわば、プレ・コンポジションとリアルタイムでなされるコンポジションとが混ざり合ったような音楽です。ジャズの「実質」とは、リズム、メロディ、ハーモニー、形式、そして音色にほかなりません。
 ジャズの歴史の明快な把握は、音楽そのものについての実践的な深い理解、とりわけ偉大な先人たちの手によって、時代とともに音楽がどのように変化し発展してきたかについてのそれにもとづかねばならないのです。真の理解こそが混乱を取り除き、この驚嘆すべき芸術形式への真摯にして持続的な愛への道をひらいてくれると、私は考えています。
 この本の中で私と岡田暁生氏は、偉大な芸術家たちを例にとりながら、音楽そのものの発展にもとづいたモダン・ジャズ史を描き出そうと試みました。

  2014年4月3日 フィリップ・ストレンジ、DMA

2014年04月21日

小沼純一さんが『レコード芸術』で『聴く人』を書評

『レコード芸術』2014年5月号にて、音楽評論家で音楽文化論研究者の小沼純一さんが、近藤譲さんの『聴く人(homo audiens)』を書評してくださいました。

近藤譲の場合、最終的に自己検証であったとしても、より広範な芸術音楽への適用、敷衍が可能となるところに、この作曲家の言語的思考の力、論理性があると言っていい。作曲家が音で、楽音で、音楽で自らの思考をあらわす、検証するのみならず、作曲もことばとかかわることに近藤譲はずっと意識的でありつづけている。
けっして厚くはないし、それぞれの章も長くはない。それでいながら、本書の投げ掛けるものは小さくはなく、読み手自身へとダイレクトに迫ってくる。

このように、著者の思考へ分け入って、深く考察してくださっています。ありがとうございました。

[木村]

2014年04月28日

『映画秘宝』と『アート・コレクターズ』5月号に『Record Covers in Wadaland 和田誠レコードジャケット集』が紹介されました

月刊誌『映画秘宝』(洋泉社)と『アート・コレクターズ』(生活の友社)のそれぞれ5月号に『Record Covers in Wadaland 和田誠レコードジャケット集』が紹介されました。どうもありがとうございました![鈴木]

2014年04月30日

ARTES インフォ*クリップ[vol.057]祝アルテス7周年!号

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ARTES インフォ*クリップ[vol.057]2014/04/30
祝アルテス7周年!号
アルテスパブリッシング
www.artespublishing.com
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□ CONTENTS □
・創業7周年!
・『アルテス』電子版サイト、リニューアルOPEN!
・5月27日発売!『すごいジャズには理由(ワケ)がある──音楽
 学者とジャズ・ピアニストの対話』
・5月2日発売!『〈いりぐちアルテス005〉オケ奏者なら知ってお
 きたいクラシックの常識』
・4月22日発売! 『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉──公開演奏
 会と近代音楽文化の成立』
・4月15日発売!『シルクロード・ウイグル族の音楽──その歴史
 と現在』
・ただいま編集中! 『ex-music (L)・(R)』
・5/22 京都大学人文研アカデミーで岡田暁生×フィリップ・スト
 レンジ出版記念トーク&ライヴ
・6/14 恵文社一乗寺店にて岡田暁生×フィリップ・ストレンジ刊
 行記念トークイヴェント
・6/21 岡田暁生×フィリップ・ストレンジ ジャズ講座@朝日カル
 チャーセンター
・『オルティス 変奏論』の独版刊行! 記念演奏会も
・光嶋裕介さんが「ガウディ×井上雄彦」展の公式ナビゲーターに
 就任!
・「みんなのミシマガミュージック」連載中
・アルテスの本のお買い求めはこちらのお店でどうぞ
・最近のアルテス──書評・イヴェントなど
・アルテスのおすすめ! 旬の音楽情報
・代沢だより

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