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2010年08月03日

8月26日発売予定! 三輪眞弘音楽藝術──全思考1998─2010(三輪眞弘著)


電気、メディア、コンピュータなどとの関わりを避けて通れない21世紀の音楽。
そのなかにあって三輪眞弘は、なお音楽は可能か、音楽とはなにか、という問いを最も根源的に思考する作曲家だ。
──坂本龍一(音楽家)

この作曲家は「はじまり」ということの秘密を、論理と感覚の結合として、つかのま地上に出現させようとしているのである。
──中沢新一(文化人類学者)

2004年、第14回芥川作曲賞を受賞。
メディア・アート、逆シミュレーション音楽、方法主義、フォルマント兄弟……。
神出鬼没・変幻自在の活動により、現在もっとも注目される作曲家、三輪眞弘。
脳内を直撃する音楽論、作品解説、談話を一挙集成。
電気文明の芸術はどこへ向かうのか──。本書こそがその答えだ!

四六判・並製・256頁
定価:本体2400円+税
発売:2010年8月26日
ISBN978-4-903951-34-8 C0073
装丁:菊池周二


●内容
若い世代の圧倒的支持を集める作曲家、三輪眞弘が、日本に帰国し、1998年以降に発表した音楽論、作品解説、談話を集成。
コンピュータをもちいたアルゴリズム作曲から、《またりさま》に代表される逆シミュレーション音楽、フォルマント兄弟での活動まで、そのユニークな活動の全貌が1冊に!
巻末に作品目録を収載。

「コンピュータ音楽であれメディアアートであれ、「装置を使った(芸術)表現」について何かを語る際に、ぼくらは、ある装置を電源コンセントにつなぐことから始めているという事実に注目しようとはしない。またさらに、その「コンセントの向こう」には、つまり電力が安定的に供給される背景には、地球規模のエネルギー問題、たとえば原子力発電所、核問題、石油の利権、投機マネーはもとより中東戦争に至るまで、グローバル化した世界のあらゆる難問が果てしなく連なっていることを意識することはまずないはずだ。もちろんそんなことを考え始めたら「装置を使った(芸術)表現」どころか、平穏な日常生活でさえ不可能になってしまうので誰も「言わないことにしている」わけだ。しかし、だからといってそれが現代の音楽・芸術が直面する未曾有の状況と無関係だと言える理由にはならないだろう。いや、それどころか現代に生きるぼくらの価値観や世界観、そしてひとりひとりの心のありようにこの現代社会の複雑な状況が深く結びついていないはずはないのだ」
──「目次の前に」より

●目次
    目次の前に
〈解説〉言葉の影、またはアレルヤ
〈作文〉フォルマント合成と歌について
〈解説〉モノローグ・オペラ《新しい時代》
〈解説〉モノローグ・オペラ《新しい時代》プログラムノート
〈解説〉弦楽四重奏曲ハ長調《皇帝》
〈架空〉混声合唱のための《新しい時代》
〈架空〉ハープのための《総ての時間》
〈方法〉「ありえたかもしれない」音楽
〈架空〉新しい時代の《流星礼拝》
〈方法〉文明を合成する
〈原理〉またりさま
〈架空〉津田式
〈方法〉身体を合成する
〈原理〉音楽における3つの「相」に基づく「逆シミュレーション音楽」の定義
〈架空〉《またりさま人形》と畏祠多宮信仰
〈作文〉なぜ「逆シミュレーション音楽」なのか?
〈架空〉村松ギヤ(春の祭典)
〈原理〉鈴掛マタリ/波動昇降 by 村松ギヤ・エンジン
〈解説〉オーケストラのための《村松ギヤ・エンジンによるボレロ》
〈解説〉無限旋律生成術
〈架空〉箜篌のための《蝉の法》
〈解説〉架空の伝統芸能はアーカイブされるのか?
〈架空〉《ヂヤイ神楽》(付)算額奉納《ヂヤイ神楽》保存会会長のあいさつ
〈方法〉新しい時代の作曲技法
〈方法〉方法マシン
〈方法〉芥川作曲賞記念鼎談:中ザワヒデキ×松井茂×三輪眞弘
〈架空〉オルガンのための《四指繰り講》あるいは《指繰り講》
〈談話〉芥川作曲賞記念レクチャー
〈作文〉演算するからだ展
〈方法〉ネット座談会 アルゴリズムはマシンの夢を見るか?
〈方法〉「演算するからだ展」を終えて
〈方法〉逆シミュレーション音楽、あるいは方法音楽の未来
〈作文〉自動演奏ピアノ(ピアノ・ロボット)をめぐって
〈架空〉占卓と邦楽器のための《愛の占いタアヘルムジク》
〈方法〉「またりさま全公案連続演奏会」方法マシン
〈解説〉『日々』のための音楽
〈架空〉虹の技法(Harmonia I)
〈解説〉369(Harmonia II)
 小説 「369」 中沢新一
〈解説〉再現芸術における幽霊、
    またはラジオとマルチチャンネル・
    スピーカーシステムのための《新しい時代》
〈解説〉ガムラン・アンサンブルのための《愛の賛歌》
〈解説〉手順派合同祭 in 三宅島
〈作文〉逆シミューレション音楽とは何か
〈談話〉個々の感情を超える何ものか
    ──それを引き出す秘術が「逆シミュレーション音楽」なのです。
〈解説〉Thinking Machine
〈作文〉なぜ今、ガムランなのか?
〈解説〉《虹機械》作曲ノート
〈作文〉ありえたかもしれない音楽、または、三拍子の起源
〈架空〉感情礼賛──今年の感情礼賛について(楽長の挨拶)
    作品目録
    プロフィール

●著者プロフィール
みわ・まさひろ
1958年東京に生まれる。1974年東京都立国立高校入学以来、友人と共に結成したロックバンドを中心に音楽活動を始め、1978年渡独。国立ベルリン芸術大学で作曲をイサン・ユンに、1985年より国立ロベルト・シューマン音楽大学でギュンター・ベッカーに師事。1980年代後半からコンピュータを用いた作曲の可能性を探求し、特にアルゴリズミック・コンポジションと呼ばれる手法で数多くの作品を発表。それらはアルスエレクトロニカなど国際的に高く評価されている。
モノローグ・オペラ《新しい時代》、オーケストラのための《村松ギヤ・エンジンによるボレロ》、著書『コンピュータ・エイジの音楽理論』、CD「赤ずきんちゃん伴奏器」「東の唄」「昇天する世紀末音楽」シリーズ、「新しい時代信徒歌曲集」「言葉の影、またはアレルヤ」などを発表し、多岐に渡る活動を続ける。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授。
著者ホームページ:http://www.iamas.ac.jp/~mmiwa/

●関連情報(書評/イヴェントほか)
三輪眞弘音楽藝術

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