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2009年10月17日

加藤和彦さんのご冥福をお祈りします

加藤和彦さんが死去。それもみずから命を絶たれたというニュースを聞き、信じられないほどの喪失感に打ちのめされています。《帰って来たヨッパライ》で死さえも笑いのめした加藤さんだったのに……。

きたやまおさむさんと加藤さんがそろえば、ライヴのアンコールはいつだってあの名曲、《あの素晴らしい愛をもう一度》でした。ふたりのデュオはもう二度と聴くことができません。坂崎幸之助さんをむかえて2002年に奇跡の復活をとげたザ・フォーク・クルセダーズも、もう再結成はありえなくなりました。

きたやまさんは『ビートルズを知らない子どもたちへ』の巻末のロング・インタビューのなかで、マイケル・ジャクソンの悲劇にふれ、スターシステムが生みだす自己の二重構造とその結果繰り返されるスターの悲劇に言及されていました。また、『日本人の〈原罪〉』(講談社現代新書)など最近の著作や、ラジオなどでも、「死」や「自殺」をテーマにされることが多く、「まわりに迷惑をかけるくらいなら、きれいに去っていきたい」という日本人の心性に警鐘をならし、「まわりに迷惑をかけながら、かっこ悪く生きつづけていたって、いいじゃないか」としきりに訴えておられました。それを考えるにつけても、きたやまさんの現在の心情はいかばかりかと察するにあまりあります。

天国の神様から(きたやまさんのあの声で)「出ていけ〜」と放り出されて、また加藤さんがこの世に戻ってきてくれたら……などと詮ないことを考えてしまいます。ご冥福を心よりお祈りいたします。

[木村]

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