久保田慶一(編)『バッハ キーワード事典』(春秋社)

久保田慶一(編)『バッハ キーワード事典』(春秋社)

弊社刊、『キーワード150 音楽通論』の編者で、『音楽用語ものしり事典』の著者でもある久保田慶一さんが編者をつとめた新刊書。全42章・200節に420項目のキーワードと300の人名が解説された、まさに「バッハを知るための究極の総合ガイド」。執筆は久保田さんのほか江端伸昭さん、尾山真弓さん、加藤拓未さん、堀朋平さんと気鋭の学者が勢揃い。これで3500円は安い! おすすめです。

[木村]


岩崎真、岩下哲也、田原靖彦、中村俊一(著)『音と響きの基礎知識──音楽にたずさわるすべての人々へ』(音楽之友社)

岩崎真、岩下哲也、田原靖彦、中村俊一(著)『音と響きの基礎知識──音楽にたずさわるすべての人々へ』(音楽之友社)

自分たちに合った演奏会場をどう選ぶか、練習場の空間をどう使えばよい練習ができるのか、ピアノのレッスンを録音するとき、レコーダをどこに置けばいいのか……などなど、プロ/アマ問わず、役に立つ知識満載の本。『バンド・ジャーナル』で2007〜2008年に連載された記事をベースに、音楽の演奏・練習の現場で役に立つ音響学の基礎知識を、作曲、音響技術、音響設計、音響学などの専門家4名がそれぞれの知見をもちよってまとめた信頼できる入門書です。

木村が音楽之友社にいたころに種まきした企画で、ようやくかたちになり、感慨深いです。『バンド・ジャーナル』編集部の赤井さん、アンカーをつとめてくださった音友出版部の斎藤さんに感謝。

[木村]


丸山桂介(著)『バッハ 「聖なるもの」の創造』(春秋社)

丸山桂介(著)『バッハ 「聖なるもの」の創造』(春秋社)

ベートーヴェンやバッハを一貫してドイツ精神史、キリスト教精神史のなかでとらえ、あくまでも実証的な研究で独自の地歩を築いてきた丸山さんの新著。こんども390頁を超える大冊。加えて、臼井雅美さんのクラヴィコード演奏による《15のインヴェンションとシンフォニア》のCDも付いてます。お休みにじっくりと読みたい1冊。

[木村]


山田奨治(著)『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』人文書院

山田奨治(著)『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』人文書院

各種利益団体が跋扈する審議会の内実をヴィヴィドかつ鋭く批判的に追った第4章をはじめ、「著作権を厳しくし過ぎることには反対の立場」から書かれた、当たり障りのありまくる痛快な一冊。著作権を巡る数々の入門書・研究書の中で、最初に読む本としてもお薦め。[鈴木]


橋本英二(著)『バロックとその前後の鍵盤音楽の運指法──便利で合理的な弾き方を演奏実践に生かす』音楽之友社

橋本英二(著)『バロックとその前後の鍵盤音楽の運指法──便利で合理的な弾き方を演奏実践に生かす』音楽之友社

2005年に刊行された『バロックから初期古典派までの音楽の奏法』(音楽之友社)の続編がついに出版されました! 著者の橋本英二さんはチェンバロ奏者でシンシナティ大学名誉教授。長くアメリカを拠点に演奏・教育活動を続けてこられた方です。

前作は木村が音楽之友社時代に編集担当しましたが、とにかく執筆・校正における緻密さと誠実さ、そして粘り腰は、いままでにお付き合いした著者のなかでもトップクラス。そして前作の途中までは、原稿も楽譜もすべて手書きでしたから、とにかく時間がかかりましたが、そのかいあって、それまでに類をみない包括的で実用的な概説書ができたと思います。

第2作もそれに優るとも劣らない実質的な内容。チェンバロ奏者だけでなく、バロック音楽に専門的な関心をもつすべての人にお薦めしたい本です。

[木村]


湯浅学(著)『音楽が降りてくる』河出書房新社

湯浅学(著)『音楽が降りてくる』河出書房新社

聴いている音楽の幅の広さ、量と聴き方の質では右に出る者のきわめて少ない音楽評論家・湯浅学さんの新著。さまざまな媒体に発表してきたテキストを編んだもの。こういう本を出せる数少ないおひとりですね。ぼくも1冊企画あるんだけど、いつやれるかなあ^^;。[鈴木]


吉田秀和(著)『言葉のフーガ 自由に、精緻に』四明書院

吉田秀和(著)『言葉のフーガ 自由に、精緻に』四明書院

吉田秀和さんの「全集」といえば、もちろん全24巻の白水社版ですが、今回出版された四明書院の『言葉のフーガ』はまさに「1冊で全集」といいたくなる本。600ページを超すヴォリュームで、なんと2400円。内容は作曲家論、作品論、演奏家論、美術論など、吉田さんの批評の全体像を伝え、なおかつ詳細な年譜と著作目録付き。最近は「吉田秀和論」が雑誌の特集をにぎわす時代でもありますが、これからは「まず四明書院版、それから白水社版」という流れで読みすすむのがよいのではないかと。

[木村]


ゲルハルト・マンテル(著)久保田慶一(訳)『楽譜を読むチカラ』音楽之友社

ゲルハルト・マンテル(著)久保田慶一(訳)『楽譜を読むチカラ』音楽之友社

「楽譜を読む」ということをテーマに、ありとあらゆる面からアプローチした本。たとえば、「楽譜は直観で読むのか、頭脳で読むのか?」といった、演奏家ならずとも興味ひかれる内容です。

[木村]


ヴェロニク・ピュシャラ(著)、神月朋子(訳)『ブーレーズ ありのままの声で』(慶應義塾大学出版会)

ヴェロニク・ピュシャラ(著)、神月朋子(訳)『ブーレーズ ありのままの声で』(慶應義塾大学出版会)

著者であるピュシャラとブーレーズが、フランスのラジオ番組用に収録した対談を下敷きとしている。書籍化にあたり、対談形式ではなく、ピュシャラによるブーレーズ伝ともいえるような内容に書きかえたということで、とても読みやすい。ブーレーズは、自身による著作も多いけれど、他人の視点で見ると、より輪郭がはっきりすることもある、ということをあらためて感じます。ブーレーズの音楽性・人間性・生涯のあらましを知りたいという向きには最初の1冊としてオススメです。


加藤典洋(著)『小さな天体──全サバティカル日記』新潮社

加藤典洋(著)『小さな天体──全サバティカル日記』新潮社

アルテスから7月に刊行した音楽論集『耳をふさいで、歌を聴く』、『村上春樹の短編を英語で読む1979-2011』講談社に続く加藤典洋さんの新刊。2010年春からコペンハーゲンとサンタバーバラで過ごしたサバティカル生活の日記で、後半には『耳をふさいで、歌を聴く』を執筆しているときの様子がしばしば出てくるので、緊張しながら読んでいます。

[鈴木]


石橋毅史(著)『「本屋」は死なない』新潮社

石橋毅史『「本屋」は死なない』新潮社

出版業界紙「新文化」の前編集長による書き下ろし。“「本屋」についての、ごく個人的な見聞録である”。創業時から贔屓にしてくださっているちくさ正文館の古田さん、定有堂書店の奈良さんをはじめ、アルテスがお世話になっている書店員さんも登場。森達也さんのノンフィクションを彷彿とさせる叙述スタイルが魅力的です。

[鈴木]


『ユリイカ』2011年11月号 特集=やくしまるえつこ

『ユリイカ』2011年11月号 特集=やくしまるえつこ(青土社)

相対性理論のやくしまるえつこを特集した最新号。読み応えありすぎ。初めてアルテスの広告を出しました。

[鈴木]


中山康樹(著)『黒と白のジャズ史』平凡社

中山康樹(著)『黒と白のジャズ史』平凡社

9月の『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』に続く中山康樹さんの新刊。“定説を超えた、新たなジャズとブルーノートの歴史が明らかに!” ものすごい生産量で読むのが追いつきませんが、“ブルーノート名盤50紹介付き”です。

[鈴木]


大友良英(著)『クロニクルFUKUSHIMA』青土社

大友良英(著)『クロニクルFUKUSHIMA』(青土社)

8月15日の“フェスティバルFUKUSHIMA!”開催後、ものすごいスピードで刊行された単行本。主催の遠藤ミチロウ、和合亮一さんほか坂本龍一、木村真三、宇川直宏といった人たちと大友さんの対談と、大友さんの日記が収録されてます。季刊『アルテスVol.1』もぜひ合わせてお読みください。

[鈴木]


【11/29発売】戸ノ下達也(編・解題)『音楽文化新聞』(全三・別巻)(金沢文圃閣)

戸ノ下達也(編・解題)『音楽文化新聞』(全三・別巻)(金沢文圃閣)

1941年11月に組織され、戦時下の音楽界を一元的に組織した「日本音楽文化協会」の機関誌が、後継誌である『音楽文化協会会報』とともに、創刊より70年をへて復刻されます。戦時期の音楽文化を研究する人々にとって欠かすことのできない資料といえるでしょう。12/3(土)には片山杜秀さんと編者の戸ノ下達也さん、ピアニストの藤岡由記さんによる鼎談とミニ・コンサート「『音楽文化新聞』の時代」が開催されます(14:00開演、亀戸文化センター大研修室、主催:洋楽文化史研究会)。

[木村]


デイヴィッド・コープ(著)、石田一志他(訳)『現代音楽キーワード事典』(春秋社)

デイヴィッド・コープ(著)、石田一志他(訳)『現代音楽キーワード事典』(春秋社)

おおげさでなく、これ1冊で20世紀以降の音楽のあらましがわかる好著。「電子音響音楽」「アルゴリズム作曲」にもそれぞれ1章があてられているのがうれしい。

[木村]


小宮正安(著)『オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢』(春秋社)

小宮正安(著)『オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢』(春秋社)

オーケストラがその語源からして「境界」という性格をにない、それゆえ「ボーダーとボーダーレスのありかたを巡って、ヨーロッパの連綿たる歴史、さらにはそれが培ってきたメンタリティを映し出す鏡」だという、歴史家ならではの巨視的な視座が魅力的。「文明史」というのはけっして大風呂敷ではありません。

[木村]


ピーター・バラカン(著)『ピーター・バラカンの音楽日記』集英社インターナショナル

ピーター・バラカン(著)『ピーター・バラカンの音楽日記』集英社インターナショナル

弊社刊『魂(ソウル)のゆくえ』でおなじみ、ピーター・バラカンさんの久しぶりの新刊が出ます。今はなき『月刊プレイボーイ』誌の連載を追加・再構成して単行本化したもので、2002年秋から2008年暮れまでの音楽体験日記です。135枚のディスクが掲載されていて、CDガイドとして買い物のお伴にもどうぞ。[鈴木]


中山康樹(著)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』NTT出版

中山康樹(著)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』NTT出版

旺盛な執筆活動を続ける中山さんの最新作は、「マイルスにとってヒップホップは新しいものではなく、過去に通過したものにすぎなかった」という視点から、ジャズとヒップホップの関係を考察、黒人音楽史を再検証する!という意欲作です。[鈴木]


エーファ・ヴァイスヴァイラー(著)明石政紀(訳)『オットー・クレンペラー』(みすず書房)

エーファ・ヴァイスヴァイラー(著)明石政紀(訳)『オットー・クレンペラー』(みすず書房)

みすず書房の島原さんからのご案内。訳者あとがきにある「梃子でも動かない抽象的岩石が呼吸をしているような動感」というクレンペラーの音楽の印象そのままのようなたたずまいの本です。

[木村]


大里俊晴(著)『ガセネタの荒野』月曜社

大里俊晴(著)『ガセネタの荒野』月曜社

本をいただいて、ぱらぱらとめくり、目に付いた文章を読みはじめて、「読まなきゃよかった」と思いました。そんな禍々しい力の横溢する本。

[木村]


オリヴィエ・ベラミー(著)/藤本優子(訳)『マルタ・アルゲリッチ──子供と魔法』音楽之友社

オリヴィエ・ベラミー(著)/藤本優子(訳)『マルタ・アルゲリッチ──子供と魔法』音楽之友社

アルゲリッチ初の伝記。全22章に、ブエノスアイレスから始まりパリ、ニューヨーク……とすべてアルゲリッチが生涯に駆け抜けた都市の名前が冠されていて、全体として「断章」のスタイルをとっています。「ああ、この人の生涯は断章で語られるのがふさわしいのだな」と妙に納得。日本語訳もとても読みやすいです。

[木村]


河本真理(著)『葛藤する形態──第一次世界大戦と美術』(レクチャー第一次世界大戦を考える)人文書院

河本真理(著)『葛藤する形態──第一次世界大戦と美術』(レクチャー第一次世界大戦を考える)人文書院

人文書院のこのシリーズは、岡田暁生さんの『「クラシック音楽」はいつ終わったのか?』をはじめ、山室信一さん久保昭博さんほか、かずかずの力作がすでに刊行されていますが、ようするに「現代文化への影響ということを考えた場合、第二次世界大戦よりもむしろ第一次世界大戦に焦点をあてたほうが理解しやすいのではないか」という視点で編まれたシリーズなのだと思います。

[木村]


黒田晴之(著)『クレズマーの文化史──東欧からアメリカに渡ったユダヤの音楽』人文書院

黒田晴之(著)『クレズマーの文化史──東欧からアメリカに渡ったユダヤの音楽』人文書院

人が旅すれば音楽も旅をする──そんなあたりまえのことを実感させてくれる1冊。

[木村]


戸ノ下達也・横山琢哉(編著)『日本の合唱史』青弓社

戸ノ下達也・横山琢哉(編著)『日本の合唱史』青弓社

高校から大学、社会人になっても数年間合唱に首を突っ込んでいたキムラにとっては、ツボの1冊。合唱の本って、だいたいが「思い出話」なんですが、本書はちがいます。編者のひとり、戸ノ下さんはいわゆる「合唱人」ではなく、日本の近代音楽史研究者。歴史研究のプロによる記述と、関係者の回想が絶妙のバランスで同居している本です。

[木村]


佐藤剛(著)『上を向いて歩こう』岩波書店

佐藤剛(著)『上を向いて歩こう』岩波書店

世に出て今年でちょうど50年、坂本九の歌でアメリカでも大ヒットした「上を向いて歩こう」の歴史と音楽的な意義を、多くの関係者の証言や資料を参照しながら書き下ろしたドキュメンタリー。連載されていたジブリの雑誌「熱風」を、これ読みたさに購読しはじめたぐらいで、とにかく無類に面白いです。坂本九の歌い方がまぎれもないロックンロールであることを証した章などじつにスリリングだし、テンポのよい筆致もすばらしいです。著者の佐藤さんはザ・ブームなどを擁する音楽事務所ファイブ・ディーの代表。[鈴木]


大村恵美子・大村健二(編)『バッハ コラール・ハンドブック』春秋社

大村恵美子・大村健二(編)『バッハ コラール・ハンドブック』春秋社

春秋社の高梨さんからご案内いただきました。「バッハのコラール全154曲を日本語で歌う」というコンセプトで、1曲につき見開き2ページ、対訳と楽譜を掲載した本です。この困難な時代への贈り物のように感じられる本、みなさんにおすすめします。

[木村]


中山康樹(著)『マイルス・デイヴィス『アガルタ』『パンゲア』の真実』河出書房新社(3月23日発売)

中山康樹(著)『マイルス・デイヴィス『アガルタ』『パンゲア』の真実』河出書房新社(3月23日発売)


1975年、大阪フェスティバル・ホールでライヴ録音された名盤『アガルタ』『パンゲア』の成立過程を追ったドキュメント。『マイルス・デイヴィス 青の時代』以下新書によるマイルス5部作に続く中山康樹さんの書き下ろし。当時のCBSソニー・ディレクター=中村慶一、レコーディング・エンジニア=鈴木智久、デザイナー=横尾忠則の証言も収められている。[鈴木]


高護(著)『歌謡曲──時代を彩った歌たち』(岩波新書)

高護(著)『歌謡曲──時代を彩った歌たち』(岩波新書)


ウルトラ・ヴァイヴの高護さんが、60、70、80年代の歌謡曲の世界を紹介、探求した書き下ろし。序章で戦前と終戦直後に簡単に触れたあと、各ディケイドを「和製ポップスへの道」「歌謡曲黄金時代」「変貌進化する歌謡曲」と題して、曲単位でたどっていく。巻末の主要楽曲リスト(兼索引)を見ると、1959年の水原弘「黒い花びら」、守屋浩「ぼくは泣いちっち」に始まり、1988年の男闘呼組「DAYBREAK」、Wink「愛が止まらない」、1989年(美空ひばり「川の流れのように」)までが載ってます。歌謡曲、っていうのもなかなか難物ですよね。高さんがはたしてどんな風に料理しているか。[鈴木]


川崎大助(著)『フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ』河出書房新社

川崎大助(著)『フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ』河出書房新社


デビュー前からバンドをよく知る著者によるフィッシュマンズ・ストーリー。雑誌『米国音楽』の連載をもとにしたもので、「ひじょうに個人的な思いから書き始めた」と自ら語るとおり、身近にいた人間ならではの共感と感傷がひたひたと伝わってきて、完全に遅刻してしまったリスナーとしては、現場のドキュメントとして楽しませてもらっている。それにしても改めて、佐藤伸治はなぜあんなに早く世を去ってしまったんだろう? もう少し距離を置いた評伝を読みたくもなった。[鈴木]


リロイ・ジョーンズ(著)飯野友幸(訳)『ブルース・ピープル──白いアメリカ、黒い音楽』平凡社ライブラリー

リロイ・ジョーンズ(著)飯野友幸(訳)『ブルース・ピープル──白いアメリカ、黒い音楽』平凡社ライブラリー


2004年に音楽之友社から刊行された完全新訳が平凡社ライブラリーで復刊。音楽之友社版の売り切れを喜びつつ、絶版状態をなんとかしたかった担当編集者としては嬉しいかぎりです。1963年の初版は1965年に上林澄雄訳で音楽之友社から翻訳出版されてるんですが、紹介されるたびに「翻訳が悪い」と書かれていたのが気になっていました。ピーター・バラカンさん→研究社・金子さんを通じて上智大の飯野友幸さんをご紹介いただき、1999年版の新訳をお願いしたのでした。この歴史的な古典を、正確かつ読みやすい翻訳でぜひご一読ください。[鈴木]


藤原ちから+辻本力(編著)『〈建築〉としてのブックガイド』明月堂書店

藤原ちから+辻本力(編著)『〈建築〉としてのブックガイド』明月堂書店

下北沢のフリーペーパー「路字」や「エクス・ポ」の編集で活躍している藤原さんと水戸芸術館の機関誌「WALK」の編集者だった辻本さんの企画、東京ピストル・加藤賢策さんのデザインによる、コンセプチュアルなブックガイド。「門」から「船着き場」(!?)まで26のパートに分かれて取り上げられている本は、文学から思想書、マンガまでさまざま。書き手には吉祥寺「百年」の樽本さん、大谷能生さん、ジュンク堂新宿店の阪根正行さん、作家の福永信さんも。折り返されたカヴァーの裏側の文字が表にちょこっと覗いてるのは意図したもの?[鈴木]


レコード芸術(編)『クラシックCD 20世紀の遺産 探訪・1950〜1999年』音楽之友社

レコード芸術(編)『クラシックCD 20世紀の遺産 探訪・1950〜1999年』音楽之友社(ONTOMO MOOK)


歴史的な遺産を産んだ50年代、レコード文化が花開いた60年代、隆盛をきわめた70年代、デジタル時代を迎えた80年代、そして爛熟の90年代と、レコードに刻まれた演奏を軸にクラシック音楽の半世紀をたどったムック。『レコード芸術』誌の連載を新たに編集したもので、吉田秀和、小林利之ら多彩な顔ぶれによるインタビューや寄稿、詳細な年表、各種コラムなどがぎっしり誌面を埋め尽くしていて、老舗専門出版社ならではの底力が伝わってきます。インターネットに大きく揺さぶられている録音文化を振り返る意味でも手元に置いておきたい1冊。[鈴木]


加藤浩子(著)『ようこそオペラ! ビギナーズ鑑賞ガイド』春秋社

加藤浩子(著)『ようこそオペラ! ビギナーズ鑑賞ガイド』春秋社

春秋社の高梨さんからご案内いただきました。ちょうど10年前に刊行された『今夜はオペラ!』の続編。「ビギナーズ鑑賞ガイド」という副題どおり、オペラ入門書の「王道」ともいえるような構成の本ではありますが、随所に「使える本」という印象があるのは、すべての記述が著者の実体験にもとづく現場の知恵にあふれているからでしょう。おすすめです。

[木村]


関口義人(著)『ジプシーを訪ねて』岩波新書

関口義人(著)『ジプシーを訪ねて』岩波新書


国を持たぬ民、ジプシーの集住地を精力的に取材して回っている関口義人さんが、その10年の旅の記録をつづった新著が岩波新書から発売されました。ヨーロッパのみならず、2004年からはアラブ諸国にも足を伸ばしている関口さんのジプシーにかける情熱は尋常ではありません。なぜそこまでのエネルギーを注ぐのか、ぼくも常々知りたかったその謎が書かれてるのでは、という期待を持って読み進めているところです。[鈴木]


松原弘一郎ほか著『日本革命ロックガイド―1960-2010』design studio STUDS

松原弘一郎ほか(著)『日本革命ロックガイド1960-2010(MOBSPROOF別冊2)』design studio STUDS
60年代のGSからゆらゆら、ミドリ、ロボまで50年近い日本のロック史を一望するディスクガイド。枚数は明記されてないけど350枚ぐらい? 毛皮のマリーズ・志磨遼平×吉田豪ほか柴山俊之、中川敬、向井秀徳などのインタビューも。タワーレコード限定販売。ほおほおこういうのが若い人には評価されるのね的に楽しんでます^^。[鈴木]


浅川マキほか(著)田村仁(写真)『ロング・グッドバイ──浅川マキの世界』白夜書房

浅川マキほか(著)田村仁(写真)『ロング・グッドバイ──浅川マキの世界』白夜書房


『日本のロック&フォーク・アルバム大全1968-1979』というムックを作ったとき、発売後しばらくして会社に「浅川と申しますが…」と低い声の電話がかかってきました。まさかまさかの浅川マキさんご本人でした。ドキッとしましたが、伊達政保さんが書いた『浅川マキの世界』の内容に「感謝したい」とわざわざご連絡をくださったのです。その後ピットインのライヴにぼくも招んでいただき、ご挨拶しました。忘れられない想い出です。[鈴木]


和久井光司(著)『フランク・ザッパ/キャプテン・ビーフハート・ディスク・ガイド(レコード・コレクターズ増刊)』ミュージック・マガジン

和久井光司(著)『フランク・ザッパ/キャプテン・ビーフハート・ディスク・ガイド(レコード・コレクターズ増刊)』ミュージック・マガジン


作家の重松清さんにも高く評価された弊社刊『「at武道館」をつくった男』の著者でもあるミュージシャン/音楽評論家の和久井光司さんが、ザッパとビーフハートおよび関連人脈すべてのディスクを書き下ろしたオール・カラーのガイドブック。これほど短期間にこれほどの量と質の原稿を書き下ろせるのは和久井さんだけでしょう。これを片手にわが家のCD棚をずいぶん占領しているザッパを順番に聞き直したりしてみたい。[鈴木]


アレックス・ロス(著)柿沼敏江(訳)『20世紀を語る音楽1&2』みすず書房

アレックス・ロス(著)柿沼敏江(訳)『20世紀を語る音楽1&2』みすず書房


Twitterで呟いたりはしてたんですが、こちらでのご紹介が遅くなりました。アルテスで出したかった!という待望の翻訳書の刊行です。なかなか時間が取れなくてぜんぜん読み終わってはいないんですが、翻訳の質も高いし、とっつきやすいとはいいがたい20世紀音楽(いわゆる現代音楽に限定してるわけではない)の歴史が物語としておもしろく読めて、大いにお薦めします。[鈴木]
※リンクは『1』に張ってあります。


岡田暁生(訳・解題)『ツェルニー ピアノ演奏の基礎』春秋社

岡田暁生(訳・解題)『ツェルニー ピアノ演奏の基礎』春秋社

「古典派/ロマン派のピアノ演奏の百科事典」(岡田暁生氏による「解題」より)とも位置づけられる書の待望の邦訳。とくに「歴史家としてのツェルニー」という面に興味をもちました。ツェルニーを教えたり学んだりする人たちにも、音楽史に関心のある向きにもおすすめします。

[木村]


野田努(著)『もしもパンクがなかったら』メディア総合研究所

野田努(著)『もしもパンクがなかったら』メディア総合研究所


DOMMUNEの中にあるウェブ版『ele-king』編集長の野田努さんの、『EYESCREAM』誌での連載をまとめた時評集。ちょうど紙版が復活したばかりの『ele-king』ですが、ウェブ版での連載も毎回楽しみにしてます。[鈴木]


ルース・タトロー(著)森夏樹(訳)『バッハの暗号』青土社

ルース・タトロー(著)森夏樹(訳)『バッハの暗号』青土社


“天才の楽譜は神なる「数」の証明だったのか?”“バッハはほんとうに数象徴を操って作曲したのか?”という帯のコピーには心惹かれます。[鈴木]


釣谷真弓(著)『音の歳時記──四季折々の日本音楽』東京堂出版

釣谷真弓(著)『音の歳時記──四季折々の日本音楽』東京堂出版

アルテス刊『八橋検校 十三の謎』の著者、釣谷真弓さんの新著。北國新聞に「ふるさと音紀行」と題して2009年から毎週連載されたエッセイをまとめたもの。季節にちなんだ日本音楽のあれこれを、豊富な写真と滋味あふれる文章で紹介した、とても気持ちのよい本です。

[木村]


大里俊晴(著)『マイナー音楽のために──大里俊晴著作集』月曜社

大里俊晴(著)『マイナー音楽のために──大里俊晴著作集』月曜社

2009年11月に亡くなった音楽学者/ミュージシャン、大里俊晴氏の評論集。追悼文集『役立たずの彼方に 大里俊晴に捧ぐ』を作られた渡邊未帆さんからご恵贈いただきました。編集は須川善行さん、解説が細川周平さん。内容にふさわしいひじょうにシャープで美しい本です。[鈴木]


椎名亮輔(著)『狂気の西洋音楽史──シュレーバー症例から聞こえてくるもの』(岩波書店)

椎名亮輔(著)『狂気の西洋音楽史──シュレーバー症例から聞こえてくるもの』(岩波書店)

著者の椎名亮輔さんからご恵贈いただきました。前著、『音楽的時間の変容』(現代思潮新社)は、現代音楽の「時間」を精神分析の手法で解き明かそうとする試みでしたが、こんどは西洋音楽史全体を視野に入れ、フロイトの手がけた一症例から「作曲家の狂気」を露わにしていこうという刺激的な書です。

[木村]


明石政紀(著)『ベルリン音楽異聞』(みすず書房)

明石政紀(著)『ベルリン音楽異聞』(みすず書房)

みすず書房の島原さんよりのご紹介。ドイツのロック音楽(クラフトワークなど)や第三帝国時代の音楽についての著述や翻訳で知られる明石政紀さんの新著。2004年から05年にかけて『クラシック・ジャーナル』に寄稿されたものを骨子に、いくつかの文章を加え、さながら音楽をテーマとしたドイツ現代史点描といった趣でまとめた1冊です。

[木村]


片山杜秀(著)『ゴジラと日の丸──片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全』文藝春秋

片山杜秀(著)『ゴジラと日の丸──片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全』文藝春秋
※Amazonリンクができたら張りますね。

ついに!──という感慨でいっぱいです。

片山杜秀さんが1994年から2002年まで『週刊SPA!』(扶桑社)で発表した連載コラム「ヤブを睨む」が、全576頁の本になってドドーンと復活しました!(1991〜1993年に同誌に発表された単発コラムというおまけ付きで!) つねに「あの伝説の」という枕詞付きで語られるこの連載が、やっと日の当たるところに戻ってきたわけです。やー、めでたい!

内容はこれからちびちびと楽しみながら読ませていただくつもりですが、ひとつだけ。あとがきは「ぼくの『SPA!』時代」と題されていますが、そうなんですよね〜、このころ片山さんは「ぼく」(あるいは「ボク」)という一人称を使っておられたんでした。懐かしい!

とにもかくにも、2010年もあとわずか、というときに、文句なしに「今年の収穫」の第1位に躍り出たこの本。出会う人みんなに奨めてしまいそうです(笑)。

[木村]


片山杜秀責任編集『ラチオ SPECIAL ISSUE 思想としての音楽』講談社

別冊「本」ラチオ SPECIAL ISSUE 思想としての音楽


アルテスがお世話になっている書き手がたくさん登場することもあって待ちに待ってました。片山さんと菊地成孔さんの対談に始まり、大和田俊之さんの「〈黒さ〉論」、沼田順さん@doubtmusicの即興音楽論などなど、他にも斎藤完さん、谷口文和さん、渡邊未帆さん、輪島裕介さんと力のこもった論考ばかりで大いに刺激されてます。インド、アフリカ、イラン、日本、古楽、ガムランの専門家たちが一堂に会した「『いい音』は普遍か? 近代西洋音楽の外側から」も個人的関心にドンピシャでワクワク。かなり「悔しい」1冊でもあります。[鈴木]


輪島裕介(著)『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』光文社新書

創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書)


こういう研究を待ってました! 「演歌」についての常識を覆す目からウロコの研究。まだ途中ですが、ワクワクしながら読んでます。[鈴木]


高木裕(著)『調律師、至高の音をつくる』朝日新書

高木裕(著)『調律師、至高の音をつくる』朝日新書

小坂裕子さんの『フレデリック・ショパン全仕事』のもとになった「ショパン・ピアノ全作品連続演奏会」を主催するなど、アルテスもひじょうにお世話になっているタカギクラヴィアの高木裕さんが新著を出しました。

前作、『スタインウェイ戦争』(洋泉社新書)は、ちょっとハードボイルドタッチで、「戦うピアノ調律師」高木さんの面目躍如といった内容でしたが、今回はピアノや調律に関心のあるすべての読者向けに、「やさしい高木さん」(こっちがほんとうの姿ですよね?)が、良い音とはなにか、そのためになにが必要かということをわかりやすく解説してくれています。

[木村]


中村明一(著)『倍音 音・ことば・身体の文化誌』春秋社

倍音 音・ことば・身体の文化誌


内田樹さんが何度か呟いていたので楽しみにしていた本。生で聴いたブルガリアン・ヴォイスにからだが溶けるような経験をして以来、気になっているテーマです。[鈴木]


『commmons: schola vol.6 Ryuichi Sakamaoto Selelctions:The Classical Style』エイベックス

commmons: schola vol.6 Ryuichi Sakamaoto Selelctions:The Classical Style

坂本龍一さん総合監修の『コモンズ:スコラ』シリーズの第6巻は「古典派」。浅田彰、小沼純一、岡田暁生さんが参加、C.P.E.バッハ、ハイドン、グルック、モーツァルトの多様な演奏を収めたCDは聴き応えあり。[鈴木]


アレクサンダー・ヴェルナー(著)喜多尾道冬、広瀬大介(訳)『カルロス・クライバー ある天才指揮者の伝記(下巻)』音楽之友社

カルロス・クライバー ある天才指揮者の伝記(下巻)

クライバーの伝記、待望の下巻。スターになった指揮者が世界で活躍し、伝説になっていく経過が描かれている下巻は、上巻からさらにパワーアップし、読み応えたっぷり。472頁という大著を、美しい日本語で読ませる訳者陣もさすが! 上巻とあわせて、強力にお薦め。[松岡]


栗原裕一郞(企画監修・著)他『村上春樹を音楽で読み解く』日本文芸社

村上春樹を音楽で読み解く

評論家・栗原裕一郞さんの企画監修で、村上春樹の作品に音楽から切り込む本がまた1冊。なにしろ執筆陣に大谷能生、鈴木淳史、大和田俊之という名前が。読まないわけにはいきません。鼎談を読むと、大谷さんはこの本のために初めて全作を読んだそうな。[鈴木]


『フリースタイル13 特集: MY MUSIC FOR LOVERS』フリースタイル

フリースタイル13 特集: MY MUSIC FOR LOVERS


小規模出版社の先輩、吉田さんのフリースタイルが発行しているリトル・マガジンの最新号。アルテスもこんなサイズの雑誌をいずれ!(とか言ってるうちはまだまだですね)[鈴木]


古川日出男(著)『ノン+フィクション』角川書店

ノン+フィクション

一語一語がおそるべき緊張感で迫る長編『MUSIC』、掌編集『4444』に次ぐ古川さんの20冊目となる著作は、「旅行記でありかつ短編集である」というまたしても挑戦的な作品。ページを繰ると黒田育世、佐々木敦といった名前も目に入ってくる。またしても密度の高い読書体験が待っていそう。[鈴木]


仲俣暁生(編著)『編集進化論 ─editするのは誰か?』フィルムアート

編集進化論 ─editするのは誰か? (Next Creator Book)

編集者の端くれとしてあれこれ考えてたことを、現役の優れた編集者たちがさまざまな視点から論じた本。こういう本作りたいなと思ってたので、仲俣さんとあれこれ話がしたくなってます。[鈴木]


志田歩(著)『玉置浩二★幸せになるために生まれてきたんだから』イースト・プレス

玉置浩二★幸せになるために生まれてきたんだから

鈴木が2006年に作った本がめでたく増補改訂版として再び世に出ました。希代の音楽家・玉置浩二の深層に迫った音楽ノンフィクションです。結婚や離婚などワイドショーを賑やかすことの多い人ですが、この本には彼の音楽のすごさを伝えたいという著者と僕の思いが詰まっています。これを読んで玉置浩二の音楽にはまった人も多数。[鈴木]


平川克美(著)『移行期的混乱』筑摩書房

移行期的混乱―経済成長神話の終わり

いまの日本に必要なのはこの「成長しなくてもやっていける戦略」という視点ですよね。大いなる共感の持ちつつ、じゃあその中で会社はどう経営していけばいいのか、その土台になる思想へのヒントを与えてくれる平川さんの書き下ろしです。[鈴木]


野間易通ほか(著) 『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』K&Bパブリッシャーズ

非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE

音楽そのものには正直疎いのですが、野間さんのほか、編集者・著者としてお付き合いいただいたことのあるJOJO広重さん、コサカイフミオさんらが執筆した希代のノイズ・バンド30年の軌跡。ライヴDVD付き。[鈴木]


日暮泰文(著)『のめりこみ音楽起業―孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール』同友館

のめりこみ音楽起業―孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール (YOU GOTTA BE Series Extra)

業界の大先輩・日暮さんの回想録。90年代に何度か原稿を書いていただきましたが、ダブルのスーツに身を包み社長椅子にデンと収まった姿はとても貫禄がありました。早く読まねば![鈴木]


岡田暁生(著)『「クラシック音楽」はいつ終わったのか?』人文書院

岡田暁生(著)『「クラシック音楽」はいつ終わったのか?──音楽史における第一次世界大戦の前後(レクチャー第一次世界大戦を考える)』人文書院

岡田暁生さんの新著は、京大人文研でおこなわれている第一次世界大戦をめぐる共同研究の一環。文化にかんしていえば、第二次世界大戦よりも第一次世界大戦のほうが、インパクトが大きかったのではないかという仮説にもとづき、1910〜20年代の音楽史を検証しています。たしかに「わけのわからない現代音楽」はこの時期にいっせいに現れ、クラシック音楽が終焉したといえるかもしれません。岡田さんの名著『音楽の聴き方』になぞらえて、『現代音楽の聴き方』と名づけることもできそうな、コンパクトな1冊です。

[木村]


古山和男(著)『秘密諜報員ベートーヴェン』新潮新書

古山和男(著)『秘密諜報員ベートーヴェン』新潮新書

米軍の情報将校だったルロイ・アンダーソン、ジョージ1世がスパイとしてイギリスに送り込んだ(のかもしれない)ヘンデル……と、相性のいい組み合わせ「音楽家とスパイ」。ここにまた新たなスパイ作曲家が誕生。なんと楽聖ベートーヴェンが!? しかもあの「不滅の恋人への手紙」が密書だった!?

面白いです。おすすめ。

[木村]


北山修(著)『最後の授業──心をみる人たちへ』みすず書房

北山修(著)『最後の授業──心をみる人たちへ』みすず書房

ビートルズを知らない子どもたちへ』の著者で精神科医の北山修さんが、今年3月九州大学を定年退職されました。本書は退職前の半年間に、著者が九州大学でおこなった精神分析学にかんする授業を収録したもの。

同名のテレビ・ドキュメンタリーも放映されましたから、ご存知の方も多いと思いますが、「精神分析学」という堅苦しさはまったくなく、しかしひじょうに深い内容が、学生たちの心にすっと染みこんでいく様子が、読んでいて伝わってくるようです。

[木村]


渡辺裕(著)『考える耳【再論】 音楽は社会を映す』春秋社

渡辺裕(著)『考える耳【再論】 音楽は社会を映す』春秋社

2007年に出た『考える耳 記憶の場、批評の眼』にひきつづき、毎日新聞に連載されていた「考える耳」という音楽時評をまとめたもの。

こういった「時評」の単行本化は、出版社の立場からすると、ともするとすぐにネタが古くなってしまって、出版を躊躇することもあるのですが、渡辺さんの書くものは、ネタは古びても「視点」が古びない。それも頑固一徹というのではなく、柔らかさ、好奇心の向かい方が一貫している、というのでしょうか。

また、最近の電子書籍ブームのなかで、とみに思うことですが、いちど新聞などに発表された細かい原稿を、本のかたちにまとめたときに、あらたに加わる価値がたしかにあります。渡辺さんのコラムは毎日新聞でずっと読んでいましたが、もういちどまとめて読んでみたい、と思いますもの。「本」というものの役割は、こういうところにもあるのかもしれません。

[木村]


ジョナサン・ハーヴェイ(著)吉田幸弘(訳)『インスピレーション 音楽家の天啓』春秋社

ジョナサン・ハーヴェイ(著)吉田幸弘(訳)『インスピレーション 音楽家の天啓』春秋社

今年の「Music Today」のテーマ作曲家であるジョナサン・ハーヴェイの著書。作曲家として「インスピレーションはどのようにして与えられるのか」ということを考えるのは、自然なことだと思いますが、この方、それで博士論文まで書いてしまったんですね。それがもとになったのが、本書のようです。モンテヴェルディから現代まで、作曲家たちの証言が次々に引用され、すこぶる面白い内容。Music Todayでハーヴェイの作品が演奏されるのは、8/30(サントリーホール)、8/24にはハーヴェイの講演会も。詳しくは下記リンクをご覧ください。

http://www.suntory.co.jp/news/2010/10757.html

[木村]


A.カーンズ(著)天崎浩二(訳)『MUSIDOKU(ムジドク) あなたの音楽脳を活性化する44の音符パズル! 音楽版ナンバープレース』音楽之友社

A.カーンズ(著)天崎浩二(訳)『MUSIDOKU(ムジドク) あなたの音楽脳を活性化する44の音符パズル! 音楽版ナンバープレース』音楽之友社

なんともお茶目な「音楽書」が出ました。「数独パズル」の音楽版。数字ならぬト音記号やフェルマータ、シャープやフラットなどの音楽記号をマス目に並べる「ナンバー・プレース」です。価格も税込500円とお手頃。原題には「The Musical Number Place Opus 1」とありますが、作品2以降もぜひ出してください!

[木村]


野口卓(著)『シェイクスピアの魔力』(学びやぶっく38)明治書院

野口卓(著)『シェイクスピアの魔力』(学びやぶっく38)明治書院

お世話になっている編集プロダクション「木杳舎」の野口卓さんから、新著のご案内をいただきました。以下、野口さんのメールより引用。

シェイクスピアにはあらゆるジャンルで派生作品が生み出されていますが、 同書では小説、戯曲、芸能(歌舞伎、狂言、落語、演芸)、映画、絵画と、 詩と評論を除くジャンルのさまざまな紹介をしております。 スペースの関係で面白い作品、ユニークな作品をのみを取り上げましたが、 紹介しきれなかった作品は巻末データとして、派生370、参考22作品を掲載しております。 書店でぜひともご覧いただきますようお願いいたします。

面白そうですね。夏休みにぜひ。

[木村]


関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ(著)『イタリア語から学ぶ ひと目で納得!音楽用語事典』全音楽譜出版社

関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ(著)『イタリア語から学ぶ ひと目で納得!音楽用語事典』全音楽譜出版社

編集をされたユージン・プランニングの坂元勇仁さんからのご紹介。前作(『これで納得!よくわかる音楽用語のはなし』)も大好評だった関・マリアンジェラ夫妻による第2弾です。

以下、全音さんのサイトから引用です:

あのベストセラー「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」の第2弾が登場です! 今作は音楽用語のひとつひとつを、イラストで表現しています。 言葉をイメージでつかめるから、"本当の意味"がひと目でわかる!

さらに、ピアニスト・関孝弘氏による演奏に活かせるアドバイス付きで、より実践的になりました。魅力あふれるイラスト満載で、子どもから大人まで"学ぶ楽しみ"と"表現する喜び"を体感できます!
レッスンにもおすすめです!

1人1冊おすすめしたい本です。

[木村]


伊藤康英(編曲)/ホルスト《第1組曲》より〈シャコンヌ〉(『バンドジャーナル』8月号)

7/10発売の『バンドジャーナル』8月号の付録楽譜は、伊藤康英さん編曲のホルスト〈シャコンヌ〉。同誌編集長の大高達夫さんから以下のようなご案内をいただきましたので、紹介させていただきます。

バンドジャーナル8月号(7月10日発売)の付録楽譜は、 ホルスト第1組曲から㈵シャコンヌなのですが、 このスコア、ホルストの自筆スコアをもとに、 伊藤康英先生が校訂したものなんです。 伊藤先生のサイト= http://www.itomusic.com/

この自筆スコア、以前は所在不明だったのですが、
現在は大英図書館が所蔵しており、閲覧可能になっております。
そこで、この5月に伊藤先生がロンドンに赴いて、実際に確認してきました。
この顛末については8月号にエッセイとして紹介しております。

どこが違うかといいますと、
1・編成が違う
現在広く使われているコリン・マシューズ版など、
これまでの版は、ホルストが指定した編成になってません。
時代の要請に応じて、さまざまな楽器が追加・削除されています。
特に、ホルストはユーフォニアムとバリトンを別々に独立したパートとして
書いているのですが、現在はバリトンパートが削除されております。

2・スコアの書き方が違う
実際にスコアをご覧になればお分かりになると思いますが、
ホルストは上から木管の高音から低音、金管の高音から低音、打楽器という
順でスコアを書きました。ですので、フルートとオーボエの間にエスクラが、
また、ホルンとトロンボーンの間にバリトンのパートが書かれています。
こうした違いがなぜ大事かと言うと、ホルストが書いたスコアが
「見た目にも美しい」ように書かれているのに、
順序を入れ替えるとその美しさが分かりにくくなるからなのです。

その他、これまでの版での間違いなどを修正し、なおかつ現代の吹奏楽で
演奏可能なスコアを、校訂報告と楽曲分析つきで付録にしました。
引き続き、10月号に㈼インテルメッツォ、12月号に㈽マーチを掲載予定です。

また、7月21日には、
ダグラス・ボストック指揮洗足学園音楽大学グリーン・タイ・ウィンド・アンサンブ
ルが、
この研究成果を取り入れた第1組曲の演奏を行ないます。
コンサート情報=
http://www.senzoku.ac.jp/music/concert/2010/program_1007/0721.html

雑誌の付録楽譜って、ある意味その分野の「最新情報」的な性格もあって興味深いです。興味をもたれた方はコンサートにもぜひお運びください。

[木村]


浜田淳『ジョニー・B・グッジョブ 音楽を仕事にする人々』

浜田淳(著)『ジョニー・B・グッジョブ 音楽を仕事にする人々』KANZEN
ミュージシャン、マネージャー、プロモーター、エンジニア、ライター、編集者、舞台監督など、音楽に関わる仕事を生業としている25人のインタビュー集。職業ガイドではなく、徹底してその人個人がなにを考えなにをしているかが語られていてとても面白いです。[鈴木]


金澤正剛(著)『古楽のすすめ』音楽之友社

金澤正剛(著)『古楽のすすめ』音楽之友社

「音楽選書」の1冊として1998年に刊行され、日本ミュージック・ペンクラブ賞を受賞した名著が、増補改訂されて復活。バロック音楽についての章が書き足されています。古楽ファン必携の一書。

[木村]


加藤義彦+鈴木啓之+濱田高志(著)『作曲家・渡辺岳夫の肖像 ハイジ、ガンダムの音楽を作った男』ブルース・インターアクションズ

加藤義彦+鈴木啓之+濱田高志(著)『作曲家・渡辺岳夫の肖像 ハイジ、ガンダムの音楽を作った男』ブルース・インターアクションズ

鈴木も木村もお世話になっているライター兼アンソロジストの濱田高志さんからご案内いただきました。アニソン黄金時代最大の巨匠・渡辺岳夫を多面的に掘り下げた本。特別寄稿として収録されている片山杜秀さんの「「非情のライセンス」をめぐる自由連想」は、昨年6月に京都大学でおこなわれた岡田暁生さんと片山さんの公開対談「21世紀の音楽批評を考える」のために書きおろされた文章を改稿したものです。片山さんのアクロバティックな着想の冴えが楽しめます。

[木村]


新実徳英(著)『新実徳英の作曲入門』音楽之友社

新実徳英(著)『新実徳英の作曲入門』音楽之友社

『教育音楽 中・高校版』2006年7月号から2009年5月号まで連載された「新実徳英の作曲入門──音を聴く、考える、作る」が本になりました(書き下ろしでの増補も含みます)。

いささか個人的な話になりますが、高校時代に新実さんの合唱曲《やさしい魚》を歌っていらい、天性のメロディメーカーとしての新実さんに憧れ、作曲家になることを夢みたことも。編集者になってから、縁あって新実さんの随想集『風を聴く、音を聴く』(題字はこれまた尊敬する哲学者・今道友信先生に書いていただきました)を担当することができたのですが、本が完成したのち、新実さんに提案したのが、「若い人に向けての作曲入門書」でした。

忙しい新実さんに確実に執筆していただくために、『教育音楽』の岸田編集長の協力を得て連載の枠を確保してもらい、どんな内容にするかを話し合うために、蓼科にある新実さんの別荘を訪れ、にわか作曲レッスンをつけていただいたことなど、懐かしく思い出されます。連載が始まった翌年、諸事情あって会社を辞めることを報告したときの新実さんの「あーっ!」という溜息が忘れられません。

それから3年。音楽之友社の若い編集者、上田友梨さんが本を完成させてくれました。自分が担当したのは第1章の途中まででしたが、蓼科でお酒を飲みながら語らったアイディアが花ひらき、ときには思いもかけないかたちに発展しているのを見るのは、嬉しい驚きです。ぜひ多くの方々に読んでほしい1冊です。

[木村]


サイモン・レイノルズ(著)野中モモ・新井崇嗣(訳)『ポストパンク・ジェネレーション1978-1984』シンコーミュージック

サイモン・レイノルズ(著)野中モモ・新井崇嗣(訳)『ポストパンク・ジェネレーション1978-1984』シンコーミュージック
B5判で376ページという大部な翻訳書を、シンコーミュージックの辻口さんから送っていただきました。80年代当時夢中になって聞いていた名前がずらずら目次に並んでいて、それだけで盛り上がります。ジャケットも豊富に掲載するなど、手のかかった労作。[鈴木]


小沼ますみ(著)『新版 ショパンとサンド 愛の軌跡』音楽之友社

小沼ますみ(著)『新版 ショパンとサンド 愛の軌跡』音楽之友社

1982年に「音楽選書」の1冊として刊行された本の新版。旧版刊行当時は、ショパンとサンドについてはじめてのまとまった書籍だったと思います。その後の研究成果などもとりいれて、さまざまな改訂がほどこされているようです。

[木村]


小沼純一(編)『高橋悠治 対談選』ちくま学芸文庫

小沼純一(編)『高橋悠治 対談選』ちくま学芸文庫

未入手ですが、これは読みたい! 以下、小沼純一さんのブログからの引用。

対談者は、作曲家として、ユン・イサン、ルイジ・ノーノ、ピエール・ブーレーズ、 柴田南雄、武満徹、三善晃、権代敦彦、といった内外の人たち(故人を含む)から、 作家の丸谷才一、高史明、鎌田慧、 ほかに研究者/批評家として、 山口昌男、村上陽一郎、渡辺裕、浅田彰、永沢哲 という多彩な顔ぶれです。 時期としては1971年から2008年までと長期にわたっており、 これまで、高橋悠治の対談は1冊にまとめられたことがない、 というのがポイントとしてあります。
[木村]

大石始(著)『関東ラガマフィン』ブラッド刊

大石始(著)『関東ラガマフィン』
元「bounce」編集部、約1年の音楽世界放浪を経てフリーライターに、という経歴を持つ大石さんは、いま最も期待している書き手の一人です。80年代の日本におけるレゲエ・シーンをドキュメントしたこの本は、34人に及ぶ関係者への取材をもとに書き下ろした労作!


速水健朗, 円堂都司昭, 栗原裕一郎, 大山くまお, 成松哲(著)『バンド臨終図巻』河出書房新社

速水健朗, 円堂都司昭, 栗原裕一郎, 大山くまお, 成松哲(著)『バンド臨終図巻』河出書房新社
“それは本当に「音楽性の違い」だったのか? クレイジー・キャッツからビートルズ、フリッパーズ・ギター、羞恥心まで古今東西洋邦200バンドの解散の真相に迫る”


東川清一(著)『旋法論──楽理の探究』春秋社

東川清一(著)『旋法論──楽理の探究』春秋社

東川先生の『日本の音階を探る』(音楽之友社、1990)を編集担当させていただいてからもう20年。春秋社で12冊目という先生の最新作は、16世紀や古代ギリシアなどの重要文献を読み解きつつ、さまざまな旋法理論を俯瞰し、基礎づけをおこなうというもの。「移動ド」か「固定ド」かという議論には、わたし自身はその後また別な視点をもつようになりましたが、この「東川旋法論」との出会いがなかったら、音組織にたいする基本的な考え方をもてなかったと思います。

[木村]


ジャネット・コールマン、アル・ヤング(著)川嶋文丸(訳)『ミンガス/ミンガス 2つの伝説』ブルース・インターアクションズ

ジャネット・コールマン、アル・ヤング(著)川嶋文丸(訳)『ミンガス/ミンガス 2つの伝説』ブルース・インターアクションズ
『至上の愛』と『クリフォード・ブラウンの生涯』で僕もお世話になった川嶋文丸さんの翻訳で刊行されたモダン・ジャズの巨人チャールズ・ミンガスの伝記。詳細なディスコグラフィ付です。[鈴木]


田中伊佐資(著)『ぼくのオーディオ ジコマン開陳 ドスンと来るサウンドを求めて全国探訪』ブルース・インターアクションズ

ぼくのオーディオ ジコマン開陳 ドスンと来るサウンドを求めて全国探訪
月刊『ステレオ』連載がドンと単行本化。豪快かつ破格のオーディオ本です。[鈴木]


こだま和文(著)『空をあおいで』K&Bパブリッシャーズ

こだま和文(著)『空をあおいで』K&Bパブリッシャーズ
元MUTE BEATの名トランペッター、こだま和文さんの新刊。『すばる』や『クイック・ジャパン』に掲載されたエッセイと、90年代に発表した著書『スティルエコー──静かな響き』と『ノート・その日その日』が収録されてます。[鈴木]


安田謙一・辻井タカヒロ(著)『ステレオ!これがロック漫筆VOL.1 ロックンロール・ストーブリーグ』音楽出版社

安田謙一・辻井タカヒロ(著)『ステレオ!これがロック漫筆VOL.1 ロックンロール・ストーブリーグ』音楽出版社
国書刊行会からの『ピントがボケる音』以来の安田謙一さんの単著(といっても漫画との共演)で、『CDジャーナル』誌での連載の単行本化です。タイトルはビートルズですね^^。[鈴木]


石橋純(著)『中南米の音楽 歌・踊り・祝宴を生きる人々』東京堂出版

石橋純(著)『中南米の音楽 歌・踊り・祝宴を生きる人々』東京堂出版


坂本龍一(総合監修)『commons: schola vol.5 ドラムズ&ベース』commons/エイベックス

坂本龍一(総合監修)『commons: schola vol.5 ドラムズ&ベース』commons/エイベックス


安田謙一、辻井タカヒロ(著)『ロックンロール・ストーブリーグ ステレオ!これがロック漫筆VOL.1』音楽出版社

安田謙一、辻井タカヒロ(著)『ロックンロール・ストーブリーグ ステレオ!これがロック漫筆VOL.1』音楽出版社


レコード・コレクター増刊『シンガー・ソングライター』ミュージック・マガジン

『レココレ・アーカイヴズ5 シンガー・ソングライター』ミュージック・マガジン


茂木一衛(著)『音楽宇宙論への招待』春秋社

茂木一衛(著)『音楽宇宙論への招待』春秋社

横浜国立大学の茂木一衛さんの新著。前著『宇宙を聴く』からもう14年になるんですね。その前著の内容をベースにしながらも、さらにスケールアップさせて、主人公の男女が2600年の音楽史を時空旅行するというのが、今回の本。

茂木さんのレクチャー・コンサート・シリーズをお聴きになったことのある方はおわかりになると思いますが、たいへんわかりやすく、しかも情熱的に、音楽の本質、人間にとっての根本的価値などが語られます。いっぷう変わった音楽美学史としても、楽しめるのではないかと思います。

[木村]


鈴木カツ(著)『ボブ・ディランのルーツ・ミュージック』白夜書房

鈴木カツ(著)『ボブ・ディランのルーツ・ミュージック』白夜書房

カツさん、ますますエネルギッシュな執筆活動をつづけていらっしゃいます。白夜書房さんもコアないい本を出されてますね。

刊行記念で、菅野ヘッケルさんとカツさんのトークショウがあるそうです(4/5、青山ブックセンター六本木店)。

[木村]


『生きるための試行──エイブル・アートの実験』フィルムアート社

生きるための試行 エイブル・アートの実験』フィルムアート社

大友良英さんらが参加している『音遊びの会』(「知的な障害を持つ人と音楽家たちによる即興演奏の試み」本書より)をはじめとする、障害者による「絵画、インスタレーション、ダンス、演劇などの表現の可能性に賭ける芸術ムーヴメント」=『エイブル・アート』の活動をまとめた1冊。『音遊びの会』の演奏は大友さんの本『MUSICS』(岩波書店)付録DVDで見ることが出来ます。春にはドキュメンタリー映画『音の城音の海』が公開予定。

[鈴木]


インゴ・メッツマッハー(著)小山田豊(訳)『新しい音を恐れるな──現代音楽、複数の肖像』春秋社

インゴ・メッツマッハー(著)小山田豊(訳)『新しい音を恐れるな──現代音楽、複数の肖像』春秋社

春秋社・高梨さんよりご案内いただきました。以下、春秋社の商品ページよりの引用です。

いま最も熱い指揮者が語る「音楽入門」。革新的なプログラムと生命力溢れる演奏解釈で定評あるドイツ楽壇の鬼才、インゴ・メッツマッハーが「新しい音」=現代音楽の魅力を縦横無尽に紹介する。シュトックハウゼンやルイージ・ノーノら第一線の作曲家との交流、演奏現場での体験もまじえ、「未聴の世界」へと誘う語りの妙味。新鮮な発見、思わず曲が聴きたくなる!

■本書に登場する主な作曲家
チャールズ・アイヴズ
グスタフ・マーラー
クロード・ドビュッシー
オリヴィエ・メシアン
アルノルト・シェーンベルク
エドガー・ヴァレーズ
カールハインツ・シュトックハウゼン
ルイージ・ノーノ
カール・アマデウス・ハルトマン
イーゴリ・ストラヴィンスキー
ジョン・ケージ

指揮者による現場感覚あふれる現代音楽レコメンドといった趣で、たしかに「聴いてみたく」なります。巻末には用語集や索引も。コンパクトながら気のきいた1冊です。

[木村]


【3/10刊】ピエール・ブーレーズ(著)笠羽映子(編訳)『ブーレーズ作曲家論選』ちくま学芸文庫

ピエール・ブーレーズ(著)笠羽映子(編訳)『ブーレーズ作曲家論選』ちくま学芸文庫

こちらも筑摩書房の高田さんよりのご案内。いつもながらブーレーズさん、かなり舌鋒鋭く批評してるんでしょうね(笑)。また、最近のちくま学芸文庫の音楽書の充実ぶりには目をみはるものがあります。やっぱり文庫って読みやすいですし。

[木村]


マイク・モラスキー(著)『ジャズ喫茶論──戦後の日本文化を歩く』筑摩書房

マイク・モラスキー(著)『ジャズ喫茶論──戦後の日本文化を歩く』筑摩書房

筑摩書房の高田さんからご案内いただきました。おもしろそうなテーマです。

弊社でもモラスキーさんが編者をつとめる『ニュー・ジャズ・スタディーズ』を近刊予定。こちらもお楽しみに!

[木村]


今谷和徳+井上さつき(著)『フランス音楽史』春秋社

今谷和徳+井上さつき(著)『フランス音楽史』春秋社

ようやく登場したという感のある「日本人の書き下ろしによる本格的なフランス音楽通史」。

中世からロココまでの「第1部」が今谷さん、フランス革命から現代までの「第2部」が井上さんの書き下ろし。「音楽史を単なる「大作曲家列伝」として記述するのではなく、社会と音楽という視点を持って描くこと、時代の流れの中で音楽家たちがどのように生き、芸術に携わっていたかを描くこと」(あとがきより)という執筆態度は、たとえば章立てが「中世」「ルネサンス」「バロック」「古典派」といった音楽史上の時代区分によっていないことに、端的にあらわされています。なによりも、各部それぞれひとりの著者による揺るぎのない視点からの歴史叙述は、「通史を読むよろこび」を喚起してくれます。

フランス音楽を愛するすべての人にすすめたい労作です。

[木村]


トン・コープマン(著)風間芳之(訳)『トン・コープマンのバロック音楽講義』

トン・コープマン(著)風間芳之(訳)『トン・コープマンのバロック音楽講義』音楽之友社

音楽之友社のホームページより:

世界的に著名なオルガニスト、チェンバロ奏者、指揮者である著者が、バロック音楽の演奏解釈法を簡潔にまとめたもの。演奏家が作曲家の意図を最大限に汲むためには、作曲当時の人々の音楽に対する考え方、記譜や演奏の習慣を知ることが必要で、そのためには演奏者自らが原典資料、当時の文献などを渉猟して自分なりの結論を出さねばならない。本書は、各国語による原典資料のファクシミリを利用して、それら原典の読み方、解釈の仕方を読者にアドバイスするもので、日本でますます隆盛を極めるオリジナル楽器演奏への貴重な指針となることはもちろん、音楽大学などでの演奏習慣についての授業では格好の教材となろう。これまで音楽学者たちによって書かれてきたバロック音楽の演奏法研究とは異なる、演奏家ならではの実践的な視点が本書の最大の魅力であろう。

80年代にオランダ語で書かれ、原書も絶版になっていたものをコープマンの弟子にあたる演奏家・風間芳之氏が全訳したもの。強くおすすめです。

[木村]


ケヴィン・バザーナ(著)鈴木圭介(訳)『失われた天才──忘れられた孤高の音楽家の生涯』

ケヴィン・バザーナ(著)鈴木圭介(訳)『失われた天才──忘れられた孤高の音楽家の生涯』春秋社

伝説のピアニスト、エルヴィン・ニレジハージ。“フォルティッシモの大馬鹿野郎”の人生行路。


中山康樹(著)『マイルスの夏、1969』

中山康樹(著)『マイルスの夏、1969』扶桑社新書
“大傑作『ビッチェズ・ブリュー』はいかにして産み落とされたか?”


野田努他(著)『ゼロ年代の音楽──壊れた十年』

野田努・三田格・松村正人・磯部涼・二木信(著)『ゼロ年代の音楽──壊れた十年』河出書房新社

2000年代の総括した150枚のディスクガイド付き。


芹沢 一也+荻上チキ(編)『日本思想という病』(SYNODOS READINGS)光文社

芹沢 一也+荻上チキ(編)『日本思想という病』(SYNODOS READINGS)光文社

1章 保守・右翼・ナショナリズム 中島岳志
2章 中今・無・無責任 片山杜秀
3章 文系知識人の受難----それはいつから始まったか 高田里惠子
4章 思想史からの昭和史 植村和秀
5章 ニッポンの意識----反復する経済思想 田中秀臣

◎戦前・昭和の思想を捉え直し、現状打破のヒントをさぐる
◎気鋭の研究者たちが解き明かす「この国の失敗」の本質
◎現在の日本の停滞感は、戦前・昭和のそれとよく似ていると言われる。その原因はいったい何か? 解決の糸口はどこにあるのか? 気鋭の思想家たちが、戦前の思想および思想を取り巻く状況を新たな視点で読み解き、現状打破のヒントをさぐる。混沌とした現在(いま)を生き抜くための思想の書。

(以上、Amazonの商品ページに掲載された「出版社からのコメント」より)


スージー・ロトロ(著)菅野ヘッケル(訳)『グリニッチヴィレッジの青春』

スージー・ロトロ(著)菅野ヘッケル(訳)『グリニッチヴィレッジの青春』河出書房新社


セルジオ・カブラル(著)荒井めぐみ(訳)『ナラ・レオン 美しきボサノヴァのミューズの真実』

『ナラ・レオン 美しきボサノヴァのミューズの真実』ブルース・インターアクションズ


武満徹(著)安芸光男(聞き手)『武満徹 自らを語る』青土社

武満徹(著)安芸光男(聞き手)『武満徹 自らを語る』青土社


前田塁(著)『紙の本が亡びるとき?』青土社

前田塁(著)『紙の本が亡びるとき?』青土社


佐々木敦(著)『文学拡張マニュアル』青土社

佐々木敦(著)『文学拡張マニュアル』青土社


シーナ(著)『YOU MAY DREAM ユー・メイ・ドリーム—ロックで輝きつづけるシーナの流儀』じゃこめてい出版

シーナ(著)『YOU MAY DREAM ユー・メイ・ドリーム—ロックで輝きつづけるシーナの流儀』じゃこめてい出版


ボリス・ヴィアン(著)/鈴木孝弥(訳)『ボリス・ヴィアンのジャズ入門』シンコーミュージック

ボリス・ヴィアン(著)/鈴木孝弥(訳)『ボリス・ヴィアンのジャズ入門』シンコーミュージック


R. アンガーミュラー(著)/久保田慶一(訳)『モーツァルト殺人法廷』春秋社

R. アンガーミュラー(著)/久保田慶一(訳)『モーツァルト殺人法廷』春秋社


鈴木カツ(著)『ロック&ポップス名曲事典300』ヤマハ・ミュージック・メディア

鈴木カツ(著)『ロック&ポップス名曲事典300』ヤマハ・ミュージック・メディア


井上貴子(編著)『日本でロックが熱かったころ』青弓社

井上貴子(編著)『日本でロックが熱かったころ』青弓社


ボリス・ベルマン(著)阿部美由紀(訳)『ピアニストからのメッセージ 演奏活動とレッスンの現場から』音楽之友社

ボリス・ベルマン(著)阿部美由紀(訳)『ピアニストからのメッセージ 演奏活動とレッスンの現場から』音楽之友社


原雅明(著)『音楽から解き放たれるために 21世紀のサウンド・リサイクル』フィルムアート社

原雅明(著)『音楽から解き放たれるために 21世紀のサウンド・リサイクル』フィルムアート社


雑誌『ULYSSES』シンコー・ミュージック

雑誌『ULYSSES』シンコー・ミュージック