ミッシェル・モラール(著)余田安広(訳)『ライプツィヒへの旅 バッハ=フーガの探究』(春秋社)

ミッシェル・モラール(著)余田安広(訳)『ライプツィヒへの旅 バッハ=フーガの探究』(春秋社)

この本もユニークなバッハ論。バッハ存命当時のフランスの楽譜商が送られてきた楽譜を見て、その作曲家と契約するために若い友人ふたりをドイツに遣わす──というのがオープニング。作曲家というのがバッハ、そしてその楽譜というのが「平均律クラヴィーア曲集」なのですが、ふたりのフランス人音楽愛好家が、徐々にこの作品の素晴らしさに目を開かれていくさまをともに体験しながら、「平均律」の奥義を学ぶことができるという凝ったしかけがほどこされています。

[木村]