トレヴァー・ウィシャート(著)、坪能由紀子、若尾裕(共訳)『音あそびするものよっといで』(音楽之友社)

トレヴァー・ウィシャート(著)、坪能由紀子、若尾裕(共訳)『音あそびするものよっといで』(音楽之友社)

1987年に翻訳出版された『音あそびするものよっといで(1)(2)』が、1冊に合わさって改訂・再版されました。こども向けの音楽ゲーム集の体裁をとってはいますが(そして、もちろんそうした場でもちいられることを意図した本ではありますが)、訳者のひとりである若尾裕さんのあとがきにあるように、マリー・シェーファー、コーネリアス・カーデュー、デレク・ベイリーといった、同時期に既存の音楽のあり方を次々に更新しつつあった人たちの活動とならべて語られうる革新性をもつ──若尾さんによれば、音楽の「コミュニケーション的転回」とも表現されうる──ものではないかと思います。「みんなで参加する」時代、ふたたび公刊されるにふさわしい本ではないでしょうか?

[木村]