『ビートルズを知らない子どもたちへ』の著者で精神科医の北山修さんが、今年3月九州大学を定年退職されました。本書は退職前の半年間に、著者が九州大学でおこなった精神分析学にかんする授業を収録したもの。
同名のテレビ・ドキュメンタリーも放映されましたから、ご存知の方も多いと思いますが、「精神分析学」という堅苦しさはまったくなく、しかしひじょうに深い内容が、学生たちの心にすっと染みこんでいく様子が、読んでいて伝わってくるようです。
2010年08月06日 | permalink
2007年に出た『考える耳 記憶の場、批評の眼』にひきつづき、毎日新聞に連載されていた「考える耳」という音楽時評をまとめたもの。
こういった「時評」の単行本化は、出版社の立場からすると、ともするとすぐにネタが古くなってしまって、出版を躊躇することもあるのですが、渡辺さんの書くものは、ネタは古びても「視点」が古びない。それも頑固一徹というのではなく、柔らかさ、好奇心の向かい方が一貫している、というのでしょうか。
また、最近の電子書籍ブームのなかで、とみに思うことですが、いちど新聞などに発表された細かい原稿を、本のかたちにまとめたときに、あらたに加わる価値がたしかにあります。渡辺さんのコラムは毎日新聞でずっと読んでいましたが、もういちどまとめて読んでみたい、と思いますもの。「本」というものの役割は、こういうところにもあるのかもしれません。
2010年07月28日 | permalink
ジョナサン・ハーヴェイ(著)吉田幸弘(訳)『インスピレーション 音楽家の天啓』春秋社
今年の「Music Today」のテーマ作曲家であるジョナサン・ハーヴェイの著書。作曲家として「インスピレーションはどのようにして与えられるのか」ということを考えるのは、自然なことだと思いますが、この方、それで博士論文まで書いてしまったんですね。それがもとになったのが、本書のようです。モンテヴェルディから現代まで、作曲家たちの証言が次々に引用され、すこぶる面白い内容。Music Todayでハーヴェイの作品が演奏されるのは、8/30(サントリーホール)、8/24にはハーヴェイの講演会も。詳しくは下記リンクをご覧ください。
http://www.suntory.co.jp/news/2010/10757.html
2010年07月28日 | permalink
A.カーンズ(著)天崎浩二(訳)『MUSIDOKU(ムジドク) あなたの音楽脳を活性化する44の音符パズル! 音楽版ナンバープレース』音楽之友社
なんともお茶目な「音楽書」が出ました。「数独パズル」の音楽版。数字ならぬト音記号やフェルマータ、シャープやフラットなどの音楽記号をマス目に並べる「ナンバー・プレース」です。価格も税込500円とお手頃。原題には「The Musical Number Place Opus 1」とありますが、作品2以降もぜひ出してください!
2010年07月23日 | permalink
野口卓(著)『シェイクスピアの魔力』(学びやぶっく38)明治書院
お世話になっている編集プロダクション「木杳舎」の野口卓さんから、新著のご案内をいただきました。以下、野口さんのメールより引用。
シェイクスピアにはあらゆるジャンルで派生作品が生み出されていますが、 同書では小説、戯曲、芸能(歌舞伎、狂言、落語、演芸)、映画、絵画と、 詩と評論を除くジャンルのさまざまな紹介をしております。 スペースの関係で面白い作品、ユニークな作品をのみを取り上げましたが、 紹介しきれなかった作品は巻末データとして、派生370、参考22作品を掲載しております。 書店でぜひともご覧いただきますようお願いいたします。
面白そうですね。夏休みにぜひ。
2010年07月16日 | permalink
関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ(著)『イタリア語から学ぶ ひと目で納得!音楽用語事典』全音楽譜出版社
編集をされたユージン・プランニングの坂元勇仁さんからのご紹介。前作(『これで納得!よくわかる音楽用語のはなし』)も大好評だった関・マリアンジェラ夫妻による第2弾です。
以下、全音さんのサイトから引用です:
あのベストセラー「これで納得!よくわかる音楽用語のはなし」の第2弾が登場です! 今作は音楽用語のひとつひとつを、イラストで表現しています。 言葉をイメージでつかめるから、"本当の意味"がひと目でわかる!さらに、ピアニスト・関孝弘氏による演奏に活かせるアドバイス付きで、より実践的になりました。魅力あふれるイラスト満載で、子どもから大人まで"学ぶ楽しみ"と"表現する喜び"を体感できます!
レッスンにもおすすめです!
1人1冊おすすめしたい本です。
2010年07月14日 | permalink
音楽キャリア・サポート・ネットが送る「音楽家のための」セミナー第1弾は、音楽構成作家の新井鴎子さん。『題名のない音楽会』ほか数々の音楽番組やコンサートの構成を手がけてきた新井さんが手ほどきする「コンサート必勝プログラムの作り方」です。これは必聴!
http://npo-mcsn.org/cn27/pg167.html
NPO法人 音楽キャリア・サポート・ネット Presents
音楽家のためのキャリア・デザイン・セミナー 2010
第1回:「コンサート構成法 ― 必勝プログラムの作り方」
講師:新井鷗子さん(音楽構成作家)
「題名のない音楽会」の構成作家・新井さんが、コンサート企画の秘訣をワークショプ形式で講義してくださいます。音楽大学生や音楽家の皆さん、必修のプログラムです!!!
対象:音楽大学生、音楽家、音楽教師 他(定員40名)
日時:2010年7月11日(日)、14:00~17:00
懇親会:午後6時から8時(希望者のみ/別途負担)
場所:(財)東方学会 2F会議室
〒101-0065 東京都千代田区西神田2-4-1 (財)東方学会
参加費:5,000円 (当日、受付にてお支払いください。)
お申し込み:こちらから→ http://npo-mcsn.org/cn27/pg384.html
お問い合わせ:NPO法人 音楽キャリア・サポート・ネット
E-mail:info●npo-mcsn.org ●=アットマーク
2010年07月07日 | permalink
7/10発売の『バンドジャーナル』8月号の付録楽譜は、伊藤康英さん編曲のホルスト〈シャコンヌ〉。同誌編集長の大高達夫さんから以下のようなご案内をいただきましたので、紹介させていただきます。
バンドジャーナル8月号(7月10日発売)の付録楽譜は、 ホルスト第1組曲から㈵シャコンヌなのですが、 このスコア、ホルストの自筆スコアをもとに、 伊藤康英先生が校訂したものなんです。 伊藤先生のサイト= http://www.itomusic.com/この自筆スコア、以前は所在不明だったのですが、
現在は大英図書館が所蔵しており、閲覧可能になっております。
そこで、この5月に伊藤先生がロンドンに赴いて、実際に確認してきました。
この顛末については8月号にエッセイとして紹介しております。どこが違うかといいますと、
1・編成が違う
現在広く使われているコリン・マシューズ版など、
これまでの版は、ホルストが指定した編成になってません。
時代の要請に応じて、さまざまな楽器が追加・削除されています。
特に、ホルストはユーフォニアムとバリトンを別々に独立したパートとして
書いているのですが、現在はバリトンパートが削除されております。2・スコアの書き方が違う
実際にスコアをご覧になればお分かりになると思いますが、
ホルストは上から木管の高音から低音、金管の高音から低音、打楽器という
順でスコアを書きました。ですので、フルートとオーボエの間にエスクラが、
また、ホルンとトロンボーンの間にバリトンのパートが書かれています。
こうした違いがなぜ大事かと言うと、ホルストが書いたスコアが
「見た目にも美しい」ように書かれているのに、
順序を入れ替えるとその美しさが分かりにくくなるからなのです。その他、これまでの版での間違いなどを修正し、なおかつ現代の吹奏楽で
演奏可能なスコアを、校訂報告と楽曲分析つきで付録にしました。
引き続き、10月号に㈼インテルメッツォ、12月号に㈽マーチを掲載予定です。また、7月21日には、
ダグラス・ボストック指揮洗足学園音楽大学グリーン・タイ・ウィンド・アンサンブ
ルが、
この研究成果を取り入れた第1組曲の演奏を行ないます。
コンサート情報=
http://www.senzoku.ac.jp/music/concert/2010/program_1007/0721.html
雑誌の付録楽譜って、ある意味その分野の「最新情報」的な性格もあって興味深いです。興味をもたれた方はコンサートにもぜひお運びください。
2010年07月06日 | permalink
浜田淳(著)『ジョニー・B・グッジョブ 音楽を仕事にする人々』KANZEN
ミュージシャン、マネージャー、プロモーター、エンジニア、ライター、編集者、舞台監督など、音楽に関わる仕事を生業としている25人のインタビュー集。職業ガイドではなく、徹底してその人個人がなにを考えなにをしているかが語られていてとても面白いです。[鈴木]
2010年07月05日 | permalink
「音楽選書」の1冊として1998年に刊行され、日本ミュージック・ペンクラブ賞を受賞した名著が、増補改訂されて復活。バロック音楽についての章が書き足されています。古楽ファン必携の一書。
2010年06月23日 | permalink
NPO法人「音楽キャリア・サポート・ネット」が大学生向けに開催するセミナー「音楽と仕事」。今週土曜日に開催される今年度第1回セミナーの講師はトッパンホールの西巻正史さん。「プロデューサー論」を展開していただきます。お申し込みはお早めに!
http://npo-mcsn.org/cn26/pg163.html
セミナー「音楽と仕事 2010」
第1回 テーマ:《創る》
夢を見続ける能力、それは才能だ!
― 西巻正史のプロデューサー論 ―
ゲスト:西巻正史さん
(トッパンホール企画制作部長)
プロフィール
今年10周年を迎える東京の新たな室内楽の殿堂、トッパンホールの顔である主催公演の企画・制作を長らく務め、独自のラインナップとプログラムを立案、事業を展開する。
大学卒業後、東京・青山のスパイラルホールの立ち上げに参画。それを皮切りに、演劇、ダンス、ファッション、シンクタンク、音楽などの様々なジャンルでアートと表現に関わる。97年からはクラシック音楽の仕事に特化し、水戸芸術館、パシフィック・ミュージック・フェスティバル企画アドヴァイザー、アサヒビール音楽講座、トヨタ・アートマネジメント講座ナショナルディレクターなどを務め、2001年から現職。
現在、トッパンホール 企画制作部長。東京藝術大学、東京純心女子大学講師。東京都芸術文化評議会専門委員等を務める。
日時:2010年6月19日(土)14:00-16:00
終了後は会場近くで懇親会を行います (希望者のみ/参加費別途)
場所:(財)東方学会2F会議室(東京・神保町)
〒101-0065 東京都千代田区西神田2-4-1 (財)東方学会
会費:1,500円(当日、受付にてお支払いください)
お申込み・お問い合わせ:NPO法人 音楽キャリア・サポート・ネット事務局
info@npo-mcsn.org
2010年06月14日 | permalink
加藤義彦+鈴木啓之+濱田高志(著)『作曲家・渡辺岳夫の肖像 ハイジ、ガンダムの音楽を作った男』ブルース・インターアクションズ
鈴木も木村もお世話になっているライター兼アンソロジストの濱田高志さんからご案内いただきました。アニソン黄金時代最大の巨匠・渡辺岳夫を多面的に掘り下げた本。特別寄稿として収録されている片山杜秀さんの「「非情のライセンス」をめぐる自由連想」は、昨年6月に京都大学でおこなわれた岡田暁生さんと片山さんの公開対談「21世紀の音楽批評を考える」のために書きおろされた文章を改稿したものです。片山さんのアクロバティックな着想の冴えが楽しめます。
2010年06月14日 | permalink
『教育音楽 中・高校版』2006年7月号から2009年5月号まで連載された「新実徳英の作曲入門──音を聴く、考える、作る」が本になりました(書き下ろしでの増補も含みます)。
いささか個人的な話になりますが、高校時代に新実さんの合唱曲《やさしい魚》を歌っていらい、天性のメロディメーカーとしての新実さんに憧れ、作曲家になることを夢みたことも。編集者になってから、縁あって新実さんの随想集『風を聴く、音を聴く』(題字はこれまた尊敬する哲学者・今道友信先生に書いていただきました)を担当することができたのですが、本が完成したのち、新実さんに提案したのが、「若い人に向けての作曲入門書」でした。
忙しい新実さんに確実に執筆していただくために、『教育音楽』の岸田編集長の協力を得て連載の枠を確保してもらい、どんな内容にするかを話し合うために、蓼科にある新実さんの別荘を訪れ、にわか作曲レッスンをつけていただいたことなど、懐かしく思い出されます。連載が始まった翌年、諸事情あって会社を辞めることを報告したときの新実さんの「あーっ!」という溜息が忘れられません。
それから3年。音楽之友社の若い編集者、上田友梨さんが本を完成させてくれました。自分が担当したのは第1章の途中まででしたが、蓼科でお酒を飲みながら語らったアイディアが花ひらき、ときには思いもかけないかたちに発展しているのを見るのは、嬉しい驚きです。ぜひ多くの方々に読んでほしい1冊です。
2010年06月07日 | permalink
サイモン・レイノルズ(著)野中モモ・新井崇嗣(訳)『ポストパンク・ジェネレーション1978-1984』シンコーミュージック
B5判で376ページという大部な翻訳書を、シンコーミュージックの辻口さんから送っていただきました。80年代当時夢中になって聞いていた名前がずらずら目次に並んでいて、それだけで盛り上がります。ジャケットも豊富に掲載するなど、手のかかった労作。[鈴木]
2010年05月24日 | permalink
小沼ますみ(著)『新版 ショパンとサンド 愛の軌跡』音楽之友社
1982年に「音楽選書」の1冊として刊行された本の新版。旧版刊行当時は、ショパンとサンドについてはじめてのまとまった書籍だったと思います。その後の研究成果などもとりいれて、さまざまな改訂がほどこされているようです。
2010年05月11日 | permalink