細田晴子(著)『カザルスと国際政治──カタルーニャの大地から世界へ』(吉田書店)

細田晴子(著)『カザルスと国際政治──カタルーニャの大地から世界へ』(吉田書店)

パウ(パブロ)・カザルスが激動の20世紀を、音楽家としてだけでなく、政治的抵抗者として生き抜き、多くの人々に影響を与えたことはよく知られています。本書はカタルーニャ、フランス、プエルトリコと拠点を移しながら、さまざまな知識人たちとネットワークを結び、旺盛な平和運動を展開したその姿を描いたもの。「ソフト・パワーとしてのクラシック音楽」を彼ほど体現した存在はなかったのではないかと思わされます。

[木村]