小宮正安(著)『オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢』(春秋社)

小宮正安(著)『オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢』(春秋社)

オーケストラがその語源からして「境界」という性格をにない、それゆえ「ボーダーとボーダーレスのありかたを巡って、ヨーロッパの連綿たる歴史、さらにはそれが培ってきたメンタリティを映し出す鏡」だという、歴史家ならではの巨視的な視座が魅力的。「文明史」というのはけっして大風呂敷ではありません。

[木村]