川崎大助(著)『フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ』河出書房新社

川崎大助(著)『フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ』河出書房新社


デビュー前からバンドをよく知る著者によるフィッシュマンズ・ストーリー。雑誌『米国音楽』の連載をもとにしたもので、「ひじょうに個人的な思いから書き始めた」と自ら語るとおり、身近にいた人間ならではの共感と感傷がひたひたと伝わってきて、完全に遅刻してしまったリスナーとしては、現場のドキュメントとして楽しませてもらっている。それにしても改めて、佐藤伸治はなぜあんなに早く世を去ってしまったんだろう? もう少し距離を置いた評伝を読みたくもなった。[鈴木]