永原恵三(著)『合唱の思考──柴田南雄論の試み』(春秋社)

永原恵三(著)『合唱の思考──柴田南雄論の試み』(春秋社)

面白い切り口です。柴田南雄の人生を簡単に跡づけたのち、最初のシアターピース作品《追分節考》を分析・解説、そしてシアターピースから合唱へと視線を徐々に移し、柴田南雄の音楽性の本質に切り込んでいく──。合唱を「共に生み出す音楽の場」ととらえれば、なるほど柴田南雄が自らの音楽の本質ととらえていたものが見えてくるかもしれません。意欲作だと思います。

[木村]