【再掲】小鍛冶邦隆作品集II《マドリガル 或いは愛の寓意I〜VI》

小鍛冶邦隆作品集II《マドリガル 或いは愛の寓意I〜VI》

先日予告した小鍛冶邦隆さんのCD、本日発売されました。銀色夏生さんの詩による合唱作品ですが、銀色さんからコメントが届き、こちらでも掲載させていただけることになりました。

私が書いた言葉が、人の声という命をふきこまれ、合唱され、
遠くへと飛んでいったり、空中をひらひらと飛んだり。
まるで壮大で深遠な絵画を見ているようであり、
移りゆくいくつもの季節を見ているようでもありました。
歌声は消えることなく、この宇宙を今も漂っている気がします。 銀色夏生

【4/8追記】銀色夏生さんの公式サイト、ファンの方によるブログにも同CDの話題が掲載されています。

CDの詳細も以下に再掲しておきます。

[木村]

東京混声合唱団/田中信昭(指揮)中嶋香(ピアノ)
Madrigali
Allegoria d’amore I-VI
per voci
Works of Kunitaka Kokaji II

2010年4月7日発売
製造・発売元 ALM RECORDS/コジマ録音
ALCD-82
税込価格2,940円(税抜価格2,800円)

小鍛冶邦隆(作曲)銀色夏生(作詩):

混声合唱のための マドリガルI
[1] 真冬の風の中
[2] あなたの笑顔の一瞬や
[3] 夏が教えてくれた

女声合唱のための マドリガルII
[4] ひとつひとつ
[5] こころという不思議
[6] いま

混声合唱のための マドリガルIII
[7] 二人の日常
[8] ハートブレイク前夜(イブ)
[9] 菜の花別離
[10] いとしく、こんなに愛しているのに
[11] たからもの

混声合唱のための マドリガルIV
[12] CHANCEをください
[13] 君は急いでここまで来たから
[14] 台風コワイ
[15] 君のそばで会おう
[16] あなたはもう黙りこんでしまう
[17] 気がかりの森

混声合唱のための マドリガルV
[18] ファンファーレ
[19] ハートブレイク前夜(イブ)
[20] いとしく、こんなに愛しているのに
[21] たからもの
[22] 二人の日常

混声合唱のための マドリガルVI
[23] センチメンタルチョコレート
[24] これは 別れ という恋
[25] 夢の嵐
[26] 急にさよならと言ったから

録音:2009年9月9日 彩の国さいたま芸術劇場


銀色夏生の詩と、小鍛冶ワールドの出逢いから生まれた、愛の迷宮世界
イタリア・ルネサンス期に隆盛したマドリガルの伝統が、われわれの時代に新たな息吹を得て復活した。小鍛冶邦隆が偶然手にした銀色夏生のシンプルで希薄な抒情を湛えた恋愛詩の数々。小鍛冶と銀色夏生という意外なコラボレーションから立ちのぼるのは、技巧的でレトリカルな声楽アンサンブル作品であり、愛の情景を歌いつつもそこでは様々な寓意的な表現が繰り広げられる「マドリガル」本来の先鋭な時代的ファッション性にほかならない。1991年に初演された《マドリガルI》から本CDのために書き下ろされた《マドリガルVI》まで、通年20年あまりにわたって書き続けられたシリーズの全曲を収める。(マザーアースより出版楽譜あり)

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マドリガル(マドリガーレ)とは、田園相聞歌と訳されて来た。田園歌(牧歌)と相聞歌(恋愛詩)の伝統は、古今東西を問わず見られるが、とりわけイタリア・ルネサンスには象徴性と寓意性に溢れたマドリガーレが、マレンツィオやジェズアルド、またモンテヴェルディらの作曲家によって書かれた。
ところで、私達の時代のマドリガルは、たまたま手にした銀色夏生のシンプルで希薄な抒情を湛えた、コピーの文章のような恋愛詩が選ばれる。
——小鍛冶邦隆

Discography
ドゥブル―レゾナンス 小鍛冶邦隆作品集 ALCD-72 (ALM RECORDS) 2007年