高野麻衣(著)『マンガと音楽の甘い関係』(太田出版)

高野麻衣(著)『マンガと音楽の甘い関係』(太田出版)

「女子文化」的な視点から音楽を語ってきたユニークな音楽ライター、高野麻衣さんの新著。「マンガと音楽をめぐる愛いっぱいのミステリーエッセイ」という帯の惹句どおり、手にとるだけで著者の愛情がビシビシ伝わってきます。

魅力にあふれた本書のなかから、高野さんらしさが出てる箇所を下に引用。

知的欲求は、どこから生まれるのだろうか── その源は恋だと、私は考えている。 異性への憧れでも、カルチャーそのものに対してでもいい。 なにかに恋をしたとき、人はその対象を、知りたくてたまらなくなる。私はそうやって、音楽を、文学を、仕事を学んできた。 恋こそが、インテリ欲の原動力である。それは絶対に、普遍的な事実だ。 どんなに時代が変わっても、図書館がグーグルに変わっても、恋という感情がなくならないかぎり、乙女心のインテリ欲は、決して変わらない。(187頁)