酒井直隆(著)『ピアノを弾く手──ピアニストの手の障害から現代奏法まで』(音楽之友社)

酒井直隆(著)『ピアノを弾く手──ピアニストの手の障害から現代奏法まで』(音楽之友社)

前著『ピアニストの手──障害とピアノ奏法』(ムジカノーヴァ叢書、音楽之友社)から14年後の続編。いわゆる医学の専門書のようなものではなく、さまざまな手の特徴やピアノの機構や奏法の歴史的発展による人体(手)への影響を実証的に明らかにしていて、手を故障してしまった人だけでなく、すべてのピアニストが関心をもつであろう内容。ショパン、リスト、ルビンシテイン、ギレリス……さまざまなピアニストの手の写真が掲げられていますが、まさに千差万別。それぞれにあった奏法も異なるのは当然でしょう。

[木村]