
詩・色彩・音楽・エロス……
クレーの芸術思想の核心にせまる!
20世紀を代表する画家のひとり、パウル・クレーが、1916年から21年にかけて制作した計10点の「文字絵」。「文字絵」とは、文字が他の造形的要素と同じ価値をもって表現された絵画作品のこと。第一次世界大戦とその後の動乱のなかで、彼は「文字絵」に何を託そうとしたのか?
戦争への反感、アジア・オリエントへの憧憬がいかにして文字絵に結実し、その後、音楽的・時間的要素を絵画化するという野心的試みへ発展していったのか。最新の情報、卓抜した着想、緻密な論証により、クレー研究に新たな地平を開く画期的論考!
カラー図版多数掲載!
A5判・上製・216頁
定価:本体4800円+税
発売:2009年5月22日
ISBN:978-4-903951-17-1 C1071
装丁:下川雅敏
●目次
序
第一章 パウル・クレーと舞踊
1 「風刺画」とのとりくみ
2 アジア・オリエントと舞踊
第二章 一九一六年の文字絵
1 第一次世界大戦前におけるクレーと東洋との出会い
クレーの植民地政策批判
エリアスベルク夫妻
ラインハルト・ピーパー
2 一九一六年の文字絵
第三章 一九一七年の文字絵
1 文字絵《エミーリエ》
2 未来派とダダの詩
3 クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩
第四章 一九一八年の文字絵
1 文字絵《かつて夜の灰色から浮かび上がった 色彩文字》
2 『詩篇』第十九篇と『ギルガメシュ叙事詩』
3 ドイプラーの『銀の三日月と』
第五章 一九二一年の文字絵
1 ハンス・クレーの経歴
2 パウル・クレーのアジア・オリエントへの関心と言語領域へのとりくみ
3 『雅歌』による文字絵、第一ヴァージョン
4 『雅歌』による文字絵、第二ヴァージョン
結語
謝辞
註
参考文献一覧
図版一覧
人名索引
Paul Klees Schriftbilder: Blick auf Asien, den Orient und die Musik, Resümee
●著者プロフィール
1971年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻芸術学修士課程修了。スイス政府奨学金を給費され,チューリヒ大学哲学部美術史学科留学。成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻博士課程後期修了。博士(文学)。現在,成城大学文芸学部,多摩美術大学美術学部非常勤講師。主要論文:「パウル・クレー作《雅歌による文字絵「彼の口のくちづけで,彼が私にくちづけしてくれたら」》──父ハンス・クレーの『雅歌』自由訳を巡って」『美學』第220号,2005年。「パウル・クレーと舞踊──第1 次世界大戦勃発までに描かれた踊る人物線描画を中心に」『鹿島美術研究』年報第22号別冊,2005年(2006年,財団法人鹿島美術財団「優秀者」)。「パウル・クレーの1918年の文字絵《かつて夜の灰色から浮かび上がった 色彩文字》──その制作状況を巡る考察」『美術史』第164冊,2008年ほか。著書:『美術検定 過去問題集2008』(共著,美術出版社,2008年。共著者:荒木和,小金沢智,楠見清,山内舞子)ほか
●関連情報(書評/イヴェントほか)
パウル・クレーの文字絵
